コールセンターの AI 化とは、業務の効率化や品質向上などを目的として、顧客対応の一部に AI(人工知能)を導入することです。ただし、AI によってオペレーターが不要になるというものではありません。あくまでも、AI はオペレーターを支援するものであり、AI の導入によって業務の属人化を防いだり、対応の品質・速度を向上させたり、業務負担を軽減させたりすることが期待できます。

ここでは、コールセンターにAIが必要とされる背景、AIで解決できる課題、活用事例や導入のステップを最新の業界動向を交えながらご紹介します。(最終更新日:2026/08/20)

目次

  1. なぜ今、コールセンターにAIが必要なのか
  2. AI で解決できるコールセンターによくある課題
  3. コールセンター向き AI システムの種類 & メリット
  4. 【2026年最新】生成AI・AIエージェントの活用シーン
  5. コールセンターでの AI の導入・活用事例
  6. AI導入で期待できるROI・費用対効果の考え方
  7. コールセンターへのAI導入ステップと選定ポイント
  8. 【2026年最新】コールセンターの AI 導入状況
  9. 2026年以降のトレンドと、コールセンターの未来
  10. AI を活用して、課題を解決しよう
  11. よくある質問(FAQ)

 

なぜ今、コールセンターにAIが必要なのか

コールセンターでは、人手不足や問い合わせチャネルの多様化、顧客体験(CX)への期待の高まりなど、従来の運営だけでは対応しきれない課題が増えています。こうした背景から、AIは業務効率化だけでなく、応対品質の向上や持続可能な運営を支える手段として注目されています。

コールセンターAIとは?活用事例・導入効果・選び方を徹底解説

・コールセンター業界の人手不足

コールセンターでは慢性的な人手不足や採用難が続いており、限られた人員で安定した運営を行うことが課題となっています。AIによる問い合わせ対応やオペレーター支援を活用することで、業務負荷を軽減し、生産性の向上が期待できます。

・応答品質への要求増加

顧客体験(CX)の重要性が高まる中、迅速で一貫性のある対応が求められています。AIは回答支援やナレッジ提示を通じて応対品質のばらつきを抑え、顧客満足度の向上を支援します。

・24時間対応ニーズの拡大

顧客は時間を問わず問い合わせできる環境を期待しており、24時間対応へのニーズが高まっています。AIチャットボットやAI IVRを活用することで、営業時間外でも自己解決を支援し、オペレーターの負担軽減にもつながります。

・生成AIの実用化による導入ハードル低下

生成AIの進化により、コールセンターでもAIを導入・活用しやすい環境が整ってきました。日本国内でも2025年の国内コンタクトセンター向け調査(モビルス株式会社)で、生成AIを導入済みまたはPoCを実施しているコンタクトセンターが63%に達しており、AI活用は急速に広がっています。

 

AI で解決できるコールセンターによくある課題

コールセンターでは、例えば以下のようにさまざまな課題が存在しています。

  • 新人教育に時間がかかる
  • 業務負荷が大きい
  • 離職率の高さ、人材不足
  • クレームが怖いなどのカスハラ
  • オペレーターによる対応レベルの差 など

コールセンターは業務負担の大きさやクレームによる精神的ストレスなどを背景に、離職率が高く人材不足が起こりやすい業界です。そのため、恒常的に新規採用を行いますが、新人が入社すれば業務を任せるために教育を行わなくてはいけません。新人教育の期間中は通常のオペレーター業務に割ける時間が減り、教育担当者以外への業務負荷が高まる可能性があるでしょう。

また、オペレーター業務は経験やスキルに依存しやすく、担当者によって対応レベルに差が生じやすくなります。高い品質の確保は、顧客満足度にも繋がる重要なポイントです。これらの課題は、AIの導入によって解決することができます。

カスタマーサポートにおける生成 AI 入門

 

カスタマーサポートにおける生成 AI 入門

 

 

コールセンター向き AI システムの種類 & メリット

コールセンターで活かせる AI といっても、さまざまな種類があります。以下では、種類ごとに導入のメリットを解説します。

・バーチャルエージェント(チャットボット)

チャットボットは、顧客からの質問に対して自動で回答するツールです。あらかじめ設定したシナリオに沿って回答するシナリオ型のほか、AIを活用して質問の意図を理解し、より柔軟な対話を行うAI搭載型のチャットボットがあります。近年では、AIを活用して顧客との対話から自己解決までを支援する仕組みを「バーチャルエージェント」と呼ぶこともあります。AIを活用したチャットボットやバーチャルエージェントでは、以下のようなことが可能です。

  • 問い合わせ対応の自動化
  • 24時間365日のセルフサービス提供
  • 顧客の意図に応じた回答や案内
  • 問い合わせデータの収集・分析
  • オペレーターの業務負荷軽減
  • 必要に応じた有人対応へのスムーズな引き継ぎ

AI搭載型のチャットボットやバーチャルエージェントは、ナレッジや顧客データなどを活用し、問い合わせ内容に応じた適切な情報を提供します。また、蓄積された対話データを分析し、ナレッジや対話設計を継続的に改善することで、回答精度や対応品質の向上につなげることができます。

チャットボットを顧客接点に導入することで、顧客はオペレーターの対応を待たず、自分のタイミングで問い合わせや問題解決を進められます。さらに、バーチャルエージェントとして有人対応と連携させることで、AIで解決できない問い合わせをオペレーターへスムーズに引き継ぐことも可能です。人手不足や問い合わせ件数の増加といった課題への対応だけでなく、顧客の自己解決を促進し、CXを向上させる手段としても活用できます。

【国内事例】チャットボット導入 1 ヶ月で想定の 2 倍以上の効果を実感

 

 

【国内事例】チャットボット導入 1 ヶ月で想定の 2 倍以上の効果を実感

 

 

 

・ボイスボット(AI 自動応答)

ボイスボットとは、AI の搭載された自動音声応対システムです。コールセンターにおける顧客対応を、AI がオペレーターに変わって行ってくれます。なお、音声合成技術を用いることで、システムでありながら人相手と同じように自然な会話が可能です。ボイスボットを導入すれば、以下のようなことが実現できます。

  • 問い合わせ対応の自動化
  • 問い合わせ内容のデータ収集および分析
  • 対応品質の向上
  • オペレーター業務の負荷軽減
  • 顧客との接点拡大

顧客からの質問に自動で応答するという点で、チャットボットとボイスボットは変わりません。ただし、チャットボットはテキストであるのに対し、ボイスボットは音声で対応するツールです。電話で話したい、あるいはテキストでのコミュニケーションが苦手という相手に対しては、チャットボットよりボイスボットが向いています。電話対応によるオペレーターの業務負荷が課題となっている企業には、ボイスボットの導入がおすすめです。

・音声認識・テキスト化

音声認識・テキスト化は人の話した音声を解析し、その内容をテキストデータ化するツールです。テキストとして記録した会話内容は、顧客対応を最適化させるための貴重なデータとなります。このツールを用いれば、例えば以下のようなことが行えます。

  • 会話内容のテキスト変換
  • 会話意図の分析、把握
  • 議事録の自動作成

オペレーター業務の品質向上、あるいは問い合わせ後のマーケティング活動に課題を抱えている企業にとって、解決するためのデータを提供してくれます。

・FAQ 作成

蓄積されたデータを解析し、FAQ を自動生成することができます。ナレッジを社内で共有すればオペレーターがその情報を検索できるため、業務負荷の軽減や対応品質の向上が見込めるでしょう。具体的には、以下のようなことが可能です。

  • 短時間で FAQ を自動生成
  • FAQ の共有および検索

顧客から受けた問い合わせ情報が共有できていない、対応に遅れが生じているといった課題を抱えている企業なら、AI による FAQ 作成がおすすめです。

・テキストマイニング

自然言語処理と機械学習により、テキストデータを分析します。分析結果がオペレーター業務の品質向上のみならず、商品開発などにも役立つでしょう。AI テキストマイニングを活用すれば、以下のようなことが行えます。

  • リアルタイム分析
  • 履歴分析
  • リアルタイムアラートの送信

問題が生じた際の意思決定が遅れていたり、オペレーター業務の品質管理に課題を抱えていたりするなら、テキストマイニングによって解決に繋がることでしょう。

・感情分析

自然言語処理によって読み取った会話のデータをもとに、言葉遣いやトーン、表現等の情報から顧客の感情を分析します。また、オペレーター側の音声に用いれば、ストレスの度合いなどを把握することも可能です。

  • 顧客の感情分析
  • オペレーターのストレス分析

クレームの抑制や対応品質の向上に課題感がある、あるいはオペレーターのストレス状態を把握したい場合には、AI による感情分析が役立ちます。

・プレディクティブ・エンゲージメント

AI による機械学習と予測分析の活用によって、顧客の行動パターンを特定します。これによって、オペレーターは的確なタイミングで対応することが可能となり、顧客満足度の向上に繋がるでしょう。具体的には、以下のようなことが行えます。

  • 行動パターンの特定およびセグメンテーション
  • カスタマージャーニーの可視化
  • エンゲージメントの最適化

カスタマージャーニー戦略に課題がある企業にとって、プレディクティブ・エンゲージメントは力強い味方となってくれるでしょう。

・自動ルーティング(顧客 × 最適なオペレーター)

AI がインタラクションのデータを分析し、顧客に対して最適なオペレーターをマッチングします。顧客の要望やニーズを深く理解し、そのうえでオペレーターがそれぞれの強みを活かし対応できます。このツールによって、以下のようなことが可能です。

  • 顧客に最適なオペレーターのマッチング
  • ルーティングプロセスの自動化および最適化

顧客満足度の向上を目指す企業なら、自動ルーティングによって顧客に最高の顧客体験が提供できることは大きなメリットとなります。また、オペレーターとのコミュニケーションは企業のブランドイメージにも影響を与えるため、顧客からの評価向上にも効果的です。

 

 

Genesys Cloud CX は、ここでご紹介した機能をオールインワンでご提供するクラウド型システムです。月単位のサブスクリプション方式でも利用できるため、コールセンターの繁忙・閑散期に応じた利用数の変更も柔軟に行えます。また、直感的な UI を採用しているため、初めてシステムを利用する方でも短期間で操作を覚えられるでしょう。課題に最適化されたデモを無料で体験していただけますので、ぜひお試しください。

 

 

【2026年最新】生成AI・AIエージェントの活用シーン

近年は生成AIやAIエージェントの進化により、コールセンターにおけるAI活用の幅が大きく広がっています。問い合わせ対応の自動化だけでなく、オペレーター支援やナレッジ管理、品質改善まで、さまざまな業務で活用が進んでいます。

活用シーン①:通話内容の自動要約・ACW削減

生成AIが通話内容を自動で要約することで、応対後の記録作成(ACW)の負担を軽減できます。後処理時間の短縮により、オペレーターの生産性向上や業務負荷の改善につながります。

活用シーン②:リアルタイム応対支援

AIが会話内容を分析し、回答候補や関連ナレッジをリアルタイムで提示します。経験の浅いオペレーターでも適切な対応を行いやすくなり、応対品質の平準化や教育コストの削減に役立ちます。

活用シーン③:ナレッジベースの自動生成・更新

生成AIを活用することで、FAQやナレッジの作成・更新を効率化できます。最新情報を迅速に共有できるため、組織全体で一貫した顧客対応を実現しやすくなります。

活用シーン④:感情分析・エスカレーション自動検知

AIが顧客の発言内容や会話のトーンを分析し、不満やクレームの兆候を検知します。必要に応じて管理者へのエスカレーションを促し、迅速な対応やサービス品質の改善につなげられます。

活用シーン⑤:AIエージェントによる完全自律対応

AIエージェントは、問い合わせ内容を理解し、自動回答だけでなく各種手続きや業務処理まで自律的に実行できます。人が対応すべき業務を見極めながら役割を分担することで、業務効率化と人手不足への対応を支援します。

 

コールセンター/コンタクトセンターでの AI の導入・活用事例

ここで、実際にコールセンターで AI を導入した事例を 3 つご紹介します。

・Graphic Solutions Group(GSG)

Graphic Solutions Group はグラフィックや商用看板業界向けの機器・消耗品・サービスを提供しています。スーパーバイザーとオペレーターは1 日 1,200 件もの電話と同時に Web サイトを経由したメッセージにも対応しており、事業が成長する一方でサービスレベルの低下、そしてオペレーターと顧客双方での満足度低下が課題となっていました。当初はオペレーターの増員を考えていたものの、原因はオペレーター数ではなくスケジュールにあることが判明。そこで Genesys Web Messaging を導入したところ、以下のような成果に繋がったという事例です。

  • 売上損失の 95% を回避
  • 新規人材採用コストを 25 万ドル削減
  • サービスレベルが 87.5% 向上
  • 収益が 32% 増加
  • 従業員への報酬と表彰の公平性が向上

詳細はこちら

 

・Schneider Electric

Schneider Electric はエネルギー管理や産業の自動化に向けたデジタル変革を牽引し、さまざまな産業やビル、住宅等の効率性および持続可能性に関する将来の課題に取り組んでいます。自社の製品およびサービスのデジタル化、そしてシームレスなオムニチャネル体験を提供することを目標に戦略を立案。そこで、Genesys Engage オンプレミス・ソリューションから Genesys Cloud プラットフォームに切り替えました。その結果、以下のような成果をあげています。

Schneider Electric事例

  • チャットによる対応が 6% 増加
  • ソリューションの簡素化、安定性、パフォーマンス向上
  • 顧客満足度が向上
  • オペレーターの業務効率化

詳細はこちら

 

・Uplift

Uplift は旅行業界の主要ブランドと提携し、手数料無料の支払いプランを提供している企業です。事業が急成長した一方、テクノロジーには改善の余地があり、コンタクトセンター・ソリューションと専任のカスタマーサービス・チームの必要性が高まっていました。従来のコンタクトセンター・モデルでは拡張性に欠け、処理に対応し切れていなかったようです。そこで、オムニチャネル、AI、高度なレポート作成、指標追跡といった機能を兼ね備えたシステムへの切り替えを検討し、Genesys Cloud プラットフォームを選択。その結果、以下のような成果をあげています。

 

  • 40% の生産性向上
  • オペレーターによる電話対応が必要な問い合わせを 15% 削減
  • 自動音声応答装置(IVR)による自己解決率が 40% に到達
  • 2,500 時間の節約

詳細はこちら

 

 

このほかにも、多くの企業が AI 活用による成果をあげています。具体的な事例については、以下よりご覧ください。

 

トップブランド 5 社に学ぶ AI 活用事例

 

 

 

AI導入で期待できるROI・費用対効果の考え方

AI導入の効果は、単に人件費を削減することだけではありません。業務効率や顧客満足度など、複数の指標を組み合わせて評価することで、より適切に費用対効果を判断できます。

ACW削減による効果試算モデル

ここでAI導入の投資対効果を確認するために、応対後の記録作成(ACW)の工数削減効果で試算してみましょう。

50名規模のコールセンターで、ACWが5分から1.5分になった場合の年間削減時間・削減コストを試算すると、下記のように年間約2,800万円もの人件費を削減できることが予測されます。

ACW削減による効果試算モデル

チャットボット導入による一次解決率改善

AIチャットボットによって「よくある問い合わせ」を自己解決へ導くことで、オペレーターが対応する件数を減らせます。問い合わせ件数の削減は、応答率の向上や待ち時間の短縮、運営コストの最適化にもつながり、AI導入の効果を実感しやすい指標の一つです。

導入コストの目安

多くのカスタマーセンター向けAIシステムは、ユーザー数または同時接続の従量制で利用料が決まります。また、使う機能によってユーザーあたり数千円から数万円のプランが用意されています。

 

例えば、Genesys Cloud CXは、機能別に4つのプランをご用意しています。音声対応のみのコンタクトセンター向けには月額9,000円〜/人、オムニチャネルのコンタクトセンター向けで、 より多くのAI体験を提供したフル機能のものは、月額28,800円〜/人でご利用いただけます。

尚、上記は基本のシステム利用料(税別)で、アドオンの有無やAI利用量によって変わってきます。また、導入設計、既存システムとの連携、データ移行、運用設計、教育・研修にも費用が発生しますので、ご興味のある方は、下記よりお問い合わせください。

 

 
 
 
 

コールセンターへのAI導入ステップと選定ポイント

コールセンターへの AI 導入は、以下のような流れで進めていきます。チェックリストもご用意しましたので、ご活用ください。

  1. 課題・KPIの明確化
  2. 導入優先度の設定
  3. AIツールの選定
  4. 必要データの整備
  5. 試験運用・効果測定
  6. 稼働・継続的改善

それぞれの行程について、詳しく見ていきましょう。

ステップ1. 現状の課題・KPI の明確化

まずは AI 導入によって解決すべき課題、そして KPI を明確にします。コールセンターにおける具体的な KPI としては、「応対品質」「効率性」「顧客満足度」「従業員のパフォーマンス」という4つの視点から設定・向上させることが望ましいでしょう。

ステップ2. 導入優先度の設定

AIは一度にすべての業務へ導入するのではなく、効果が出やすい業務から段階的に展開することが重要です。問い合わせ件数が多い業務や定型的な対応、後処理の負担が大きい業務などを優先することで、導入効果を確認しながらリスクを抑えて運用を始められます。

ステップ3. AIツールの選定

具体的な AI ツールを選ぶときは、自社の課題や運用環境に適したツールを選定することが重要です。最初に課題に応じて必要な機能を洗い出したうえで、具体的なツールを比較検討します。また、スムーズな導入においては操作性も重要ですので、デモを用いて実際の管理画面や応対画面の使い心地も確認します。

★ツール選定チェックリスト

  • □ 自社の課題に対応した機能があるか
  • □ 既存システム(CRM・電話基盤)との連携が可能か
  • □ 日本語対応の精度は十分か(デモで確認)
  • □ セキュリティ認証(ISO 27001等)を取得しているか
  • □ 導入・運用サポート体制があるか
  • □ スモールスタート・段階的な導入が可能か
  • □ 料金体系が自社規模(席数・問い合わせ件数)に合っているか

ステップ4. 必要データの整備

想定される質問および回答、シナリオといったデータをシステムに入力します。AI は蓄積されたデータ量が多いほど精度が高まるため、十分なデータ量が必要です。過去のやり取りなどから、事前に入力すべきデータを整理しておきましょう。

ステップ5. 試験運用・効果測定

データ入力を完了したら、まずは試用運転を行います。オペレーターによる使用感だけでなく、AI による自動対応に問題が生じていないかも確認します。不適切な返答が見られたり、期待する効果が得られなかったりする場合は、改めてデータを見直しましょう。
その後、問題無いと判断すれば本稼働へと進みます。

ステップ6. 稼働・継続的改善

AIは導入して終わりではなく、運用を続けながら改善を重ねることが重要です。問い合わせ内容や利用状況、KPIなどを定期的に確認し、ナレッジや回答内容、シナリオを見直すことで、AIの回答精度や顧客体験を継続的に向上させていきます。

 

【2026年最新】コールセンターの AI 導入状況

コールセンターにおけるAI活用は、世界的に加速しています。デロイト トーマツ グループの調査によると、カスタマーサービス領域でAIを活用している企業の割合は、2023年の46%から2025年には61%へ拡大しました。一方、日本でもAIの本格導入が進んでおり、モビルス株式会社が2025年に実施した国内コンタクトセンター向け調査では、生成AIを導入済み、またはPoC(実証実験)を実施している企業は63%に達しています。海外・国内ともに、AIは実証段階から実運用へと移行しつつあり、コールセンター業務のあり方そのものを変える存在になっています。

 

2026年以降のトレンドと、コールセンターの未来

生成AIの進化により、コールセンターでは業務効率化だけでなく、顧客体験の向上やデータ活用まで含めたAI活用が進んでいます。今後は、人とAIがそれぞれの強みを生かしながら協働する運営モデルが、より一般的になっていくと考えられます。

完全自律AIエージェントの本格普及

AIエージェントは、問い合わせへの回答だけでなく、予約変更や各種手続きなどの業務まで支援できるようになりつつあります。ただし、複雑な判断や例外対応については人が担う場面も多く、業務内容に応じて役割を分担する運用が現実的です。

マルチモーダルAIの活用

音声だけでなく、テキストや画像、画面情報など複数の情報を組み合わせて処理するマルチモーダルAIの活用も進んでいます。顧客の状況をより正確に把握し、一人ひとりに適した対応を支援する技術として期待されています。

コストセンターからプロフィットセンターへの転換

AIの活用は、業務効率化やコスト削減だけでなく、顧客満足度の向上や解約防止、アップセル・クロスセルなどの領域にも活用されています。顧客の声を経営やマーケティング、商品改善に生かすことで、コンタクトセンターの価値を高める取り組みが広がっています。

人間×AIの協働モデルの成熟

定型の問い合わせや情報収集はAIが担い、人はより複雑な相談や共感が求められる対応に注力する運用が進んでいます。AIが人に置き換わるのではなく、それぞれの強みを生かして顧客体験を高めることが、今後ますます重要になるでしょう。 

 

AI を活用して、課題を解決しよう

コールセンター・コンタクトセンターでの AI 導入について、具体的な事例を挙げながらメリットや導入の流れなどを解説しました。すでに多くの企業が AI を導入しており、業務効率化や顧客満足度の向上といった成果をあげています。
ただし、AI と言ってもチャットボットやボイスボット、テキストマイニングなど種類は多様です。まずは自社の課題を明確化し、その解決に必要なものを選びましょう。また、サービス導入に当たっては AI の精度やセキュリティ性の高さなども重要です。本記事の内容はもちろん、以下でもコールセンターでのAI活用に活かせる情報をご提供していますので、参考にご覧ください。

AI ベースのコンタクトセンター・ソフトウェア

2026年版 AIとCXの購入担当者向けガイド

エージェンティック時代の CX プレイブック

APAC における AI を活用したエクスペリエンスオーケストレーションへの取り組み

 


 

よくある質問(FAQ)

最後にお客様から多く寄せられる質問をまとめました。AI導入の参考にしてください。

Q1. コールセンターのAI化とは何ですか?

コールセンターのAI化とは、AIを活用して問い合わせ対応や業務プロセスを効率化し、顧客体験(CX)やオペレーター体験(EX)の向上を目指す取り組みです。AIチャットボットやAI IVR、応対支援、通話要約、感情分析など、さまざまな場面で活用が進んでいます。

Q2. 生成AIとチャットボットはどう違いますか?

従来のチャットボットは、あらかじめ設定したシナリオやFAQに沿って回答する仕組みが一般的です。一方、生成AIは質問の意図を理解し、自然な文章で回答を生成できます。近年は、生成AIを活用したAIエージェントも登場し、より柔軟な顧客対応が可能になっています。

関連記事:AI エージェントとは?生成AIとどう違う?活用事例、成功事例を知り企業課題を解決

Q3. AI導入にはいくらかかりますか?

AI導入に必要な費用は、導入する機能や利用規模、既存システムとの連携内容によって異なります。クラウド型サービスであれば、小規模から始めやすく、必要な機能を段階的に拡張することも可能です。導入時は費用だけでなく、業務効率化や顧客満足度の向上など、長期的な費用対効果もあわせて検討することが重要です。

Q4. AI導入後、オペレーターは不要になりますか?

いいえ。AIは定型的な問い合わせや情報収集などを効率化できますが、複雑な相談や状況に応じた判断、顧客に寄り添った対応は人の役割が重要です。AIとオペレーターが役割を分担することで、より質の高い顧客対応を実現しやすくなります。

Q5. 小規模なコールセンターでもAI導入は可能ですか?

可能です。クラウド型のAIサービスであれば、大規模なシステムを構築しなくても導入できます。まずはAIチャットボットや通話要約など、効果が見えやすい機能から導入し、運用状況に応じて活用範囲を広げていく方法がおすすめです。

Q6. AI導入で失敗しないための最重要ポイントは?

AI導入を成功させるためには、「AIを導入すること」を目的にしないことが重要です。まずは「どのような課題を解決したいのか」を明確にし、その課題にAIが適しているかを検討したうえで導入を進めましょう。また、最初からすべての業務をAI化するのではなく、効果が出やすい業務からスモールスタートし、成果を確認しながら段階的に活用範囲を広げることが成功への近道です。