コンタクトセンターは常に、顧客のニーズと期待を反映してきました。長年の間、コンタクトセンターは受動的な窓口であり、何か問題が生じた時に顧客から連絡が入る場所として機能していました。しかし近年、顧客の期待はより複雑化しています。

この記事は、 Genesys の提携企業であるコンセントリクスの国際戦略連携統括部長、 Geoff Lynch 氏により執筆されました。

コンタクトセンターは常に、顧客のニーズと期待を反映してきました。 長年の間、コンタクトセンターは受動的な窓口であり、何か問題が生じた時に顧客から連絡が入る場所として機能していました。 しかし近年、顧客の期待はより複雑化しています。

顧客は、自分にとって都合の良い時間に、自分の好みの連絡手段で、企業と連絡を取ることを望んでいます。 実際、「 The State of Customer Experience (顧客体験の現状)」で調査された顧客の 97 %は、自分が好む連絡手段で企業とやり取りできることが重要だと答えています。 体験が価値を持つ、経験経済の現代において、コンタクトセンターの役割が劇的に変化したことは疑いようがありません。

その役割変化は今や、企業の認知度、顧客からの信頼、さらなる成長をもたらす戦略的な原動力となっています。

今日のような経験経済において顧客は、貴社と競合他社を単純に比較するのではありません。 彼らは、これまでに経験したあらゆる優れた顧客体験と、貴社を比較します。優れた顧客体験とは例えば、先を読んだ対応をしてくれるアプリや、手間のかからない返品対応、説明しきらない内に問題を理解してくれるオペレーター対応などです。

そうした優れた顧客体験は、技術だけでなく、さらに深い要因により実現されています。 それらは、クラウドに根差した構造、整理された連携データ、そして顧客体験のあらゆる面に行き届いた、連携管理への取り組みにより可能になります。

私たちは、今後 5 年、 10 年先を見据えたとき、徐々に変化が生じるとは考えていません。 近い未来、コンタクトセンターの運営方法や、顧客体験の設計、提供、最適化の方法すべてが、今とは異なる、完全に新しい形に変化すると考えています。

柔軟性と拡張性をもたらすクラウド型サービスの導入

企業が次の次元の新しい体験を創出するには、まず適切な基盤を整える必要があります。つまり、近年の顧客が期待するような迅速性や規模を備えていない古いシステムを手放す必要があるということです。

クラウド上の利用を想定したプラットフォームは、変化に対し柔軟に対応できるよう設計されています。それらは単にクラウド上で動作するというだけではなく、継続的デリバリー開発、マイクロサービス開発を可能にし、国際的な規模拡張性を実現するために設計されています。企業が、リモートワークやハイブリッドワーク、チャネルの多様化、予測困難な需要、個人個人に特化した顧客対応への期待の高まりといった多くの複雑な課題に直面する中で、これらの機能はこれまで以上に重要なものとなっています。

コントリクス社において私たちは、 Genesys Cloud プラットフォームのような、クラウド稼働を想定した製品が、複雑な課題に対応する柔軟性をもたらすためにどのように役立つのか精査してきました。開発チームは、動作中断なしで新機能を展開できます。繁忙期の需要急増に対応する機能拡張も可能です。また、他のシステムと迅速に統合できます。そして、これらすべてを、業績や顧客体験を損なうことなく実現します。

しかしそれでも、多くの企業が依然として従来の技術設備に縛られています。クラウドを前提とした構造への移行は、単なる技術更新ではなく、抜本的な変革です。今この変化に向けて行動する企業は、明日の変革を先導する企業となることができるでしょう。

最先端 AI と機械学習がもたらす変革の力

AI はかねてより、コンタクトセンターの業務を裏方で支えており、通話の振り分け、会話内容の要約、ナレッジ記事の提案などを支援してきました。しかし、今や AI は裏方に留まる存在ではありません。AI は、裏方の存在ではなく表に立つ存在として、顧客体験を支える積極的な役割を担い始めています

そして、これこそが今日の顧客が期待していることです。経験経済において、対応の迅速さと利便性は依然として重要ですが、それに加えて感情的知性( EQ )が重要になっています。顧客は、ただ問題に対応してもらうだけでなく、理解されている感覚を得たいと感じています。昨今の顧客は AI によるサポートを抵抗なく受け入れていますが、一方で、対応が役立ち、適切で、かつ人間味の感じられるものであることを求めています。

AI の真の価値はここにあります。オペレーターに置き換わるのではなく、対応品質を向上するためにオペレーターの業務効率を高めるのです。 

状況に応じた支援を即座に提供し、次に取るべき最適な行動を提案し、対応の前後文脈を適切に示してくれる AI は、従業員・顧客双方の摩擦を減らすことができます。オペレーターは反復的な作業や情報を検索する作業から解放されます。

それによりオペレーターは、共感能力や知識、経験を持って、顧客の問題解決に対して全力で集中できるようになります。また新人オペレーターも、あらゆる業務段階で必要な助言が得られるため、より迅速に質の高い体験を提供できるようになります。

貴社のコンタクトセンターにとってこの変化は、縦割り式のシステムからの脱却、 つまり AI により統合・強化された業務システムの実現を意味します。それにより、オペレーター・顧客双方の体験を向上することが可能です。オペレーターが適切な働きをし、顧客が人間的な対応を受けていると感じられるそのとき、すべての人の体験がより良いものとなります。

高まるデータ分析の重要性

AI が効果を発揮するためには、その背後にあるデータが信頼できるものでなければなりません。しかしこの問題は、いまだに多くの企業にとって障壁となっています。

 AI 戦略が、連携されていない技術システムや縦割り化されたデータの上に構築されていることがあまりにも多いのです。たとえば、ある技術システムは対応のやりとりを管理し、別の技術システムは人的資源の管理を担当します。また別の技術システムは感情分析を行います。

しかし、それらのシステムは共通の言語を使用していません、そのため、引き継ぎの過程で前後の文脈が失われ、オペレーターにとっても顧客にとっても、連携の取れていない不十分な体験となってしまいます。 

不足しているのは自動化・連携管理です。

AI を活用した体験の自動化・連携管理とは、顧客体験のあらゆる場面に人工知能を適用し、最新のデータを活用しながら、人、システム、チャネルを適切に連携させていくことを意味します。そのシステムがうまく機能しているとき、顧客がそれを「機械による対応だ」とは感じることはありません。単に、やりとりがスムーズだと感じられます。自然で、 人間的な対応だと。

だからこそ、コンタクトセンターの将来性を確かなものとするために、適切なデータ管理に真剣に取り組む必要があるのです。企業運営や管理体制に投資し、分類を整え、古い記録を整理しましょう。なぜなら、整理され連携の取れたデータは AI に有益なだけでなく、企業運営にとっても有益だからです。 

その下地が整えば、そこから得られる利点は数多くあります。適切なデータ分析があれば、コンタクトセンターは過去の報告書を頼りにせずとも、顧客に対して即座に対応することができます。また、問題が大きくなる前に発見し、対処することができます。さらに、より適切な振り分けを行い、必要な人員配置を正確に予測し、より精度高く顧客体験を最適化できます。リアルタイムのデータ分析と組み合わせることにより、顧客とのすべての接点が、単なる問題解決の場ではなく、さらなる価値を提供する機会となります。

サービスの機能停止、需要の急増、製品回収など、顧客への影響が大きい瞬間を考えてみてください。そうした瞬間において、リアルタイム分析は、顧客をただ不満にさせるか、それとも企業を信頼する顧客とするかの分かれ目となります。

数時間後や数日後ではなく企業が即座に対応してくれるとき、顧客は企業への信頼感を感じます。そして、信頼感を感じたそのとき、企業の印象は決まるのです。

CCaaS の今後の展望は?

では、 CCaaS は次にどこへ向かうのでしょうか?私たちが描く未来は、相互に連携したシステム、リアルタイムに思考する人工知能、そして人間の体験に対するより深い理解の上に築かれています。CCaaS が目指すのは、オペレーターに置き換わることや、技術システムの継ぎ接ぎではありません。あらゆるチャネルにおける、顧客とのやり取りすべてに対応できる、統一されたプラットフォームを構築することを目指しています。

私たちが焦点を当てている最新の動向を以下に列挙します。

より迅速な導入とスキル向上: 新人オペレーターは、何週間もかかる研修を必要としなくなります。AIを活用した指導と助言により、彼らはこれまでより高い業務水準から働き始め、業務の中で継続的に能力を高めていくでしょう。

顧客意図を予測した対応: 最高の対応とは、顧客が求める前に先回りして提供されるものです。AI が顧客の求めるものを予測し、意図を早期に検出し、不満が募る前に必要な対応を提供します。

目的を持った統合: AI が成熟するにつれて、市場は、かつては個別の製品が必要だった機能を一体化した、より統合された製品を求めていくでしょう。この傾向は単なる市場シェアに関する問題ではなく、縦割りされた個別のシステムを排除することにより、顧客とオペレーター双方により洗練された体験をもたらすためのものです。

倫理と信頼への新たな注目: 顧客は、自分たちのデータがどのように使用され、どのように意思決定が行われているかに注目しています。透明性、企業統制、不公正な偏りの低減は、譲れない条件となるでしょう。

人間とAIの協働の標準化 : 「人間対AI」という議論の時代は終わりました。未来のコンタクトセンターは、人間と AI が互いの得意分野において協力し合う、協調的なものになるでしょう。

結局のところ、企業に対する顧客の期待は高まっており、そのことこそが経験経済を牽引しているのです。顧客の体験をコストではなく競争優位性としてみる企業こそが、そういた顧客の期待に応え、期待を上回っていくことができるでしょう。

次の段階への準備

CCaaS の未来はすでに形作られつつあります。その証拠に、AI の能力はますます向上しています。また、クラウドを前提としたシステムが標準になりつつあります。データは、以前よりも高速で転送されています。そして顧客は、画面の向こうにいるのが人間であれ AI であれ、すべてのやり取りが連携しており、前後文脈が通じ、人間味あるものであることを期待しています。

これらの業界動向はまぎれもなく現実で起きていることですが、動向を捉え成果に変えるためには、認識するだけでは足りません。行動が必要です。

最も成功する企業は、これらの変化をただ追うのではなく、実際に運用に取り入れるでしょう。それらの企業は、チャネルを統合し、顧客体験を連携管理し、オペレーターが顧客の記憶に残るような体験を提供できるよう、人工知能を導入したシステムを構築します。

そうした運用への導入こそ、Genesys とコントリクス社が協働して提供できる変革への力です。Genesys Cloud は AI を活用した体験を、幅広い領域において迅速に実現するための技術を提供します。コントリクス社は、それらの体験を実際に現実のものとし、持続させるための戦略的分析と厳格な運用指針を提供します。私たちは、企業が受動的なサービス体制から、自動・連携化された体験を提供する組織に変革するための支援を行います。そのために、顧客とのあらゆるやり取りを、簡単で、企業への信頼が増すようなものに変えるクラウド型の技術システム、運用戦略、人工知能 AI を提供します。

コントリクス社と Genesys がどのように貴社の顧客体験を変革できるか、詳細をご覧ください。また、右記のeBookから、 AI と自動化導入のために企業がなぜ Genesys Cloud を選ぶのかをご覧ください。