2026 年 4 月 30 日(木)日本発表

ジェネシス、 2026 年の CX 変革を左右する AI トレンド 8 選を発表

~ AI 活用は“実証”から“実行”フェーズへ、エージェンティック AI ・人材変革・信頼性が競争優位の中核に~

東京— 2026 年 4 月 30 日—  AI を活用したエクスペリエンス・オーケストレーションのグローバル・クラウド・リーダーであるジェネシスクラウドサービス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・伊藤・リッチー、以下ジェネシス)は、 2026 年に企業が注視すべき AI およびカスタマーエクスペリエンス( CX )に関する 8 つの主要トレンドを発表しました。今回発表したトレンドは、エージェンティック AI へのシフトが加速する中で、企業のオペレーションや人材戦略、さらにはカスタマーエクスペリエンスの在り方そのものがどのように変革していくかを示すものです。 AI の急速な普及に伴い、多くの企業がここ数年、ユースケースの検証や試験導入を進めてきましたが、現在、その重点は大きく変化しつつあります。

本発表では、企業が単に「 AI を試す」段階を超え、実際のビジネス価値の創出へと移行するための指針を提示しています。また、「人材」「テクノロジー」「信頼」が、いかに競争優位の中核となるかについても考察しています。さらに、ジェネシスのエグゼクティブの知見をもとに、エージェンティック AI によって加速する CX トレンドに対し、企業がどのように対応すべきかについて、その全体像を俯瞰的に示します。

 

ジェネシス チーフ・インフォメーション・オフィサー トレバー・シュルツ

トレンド 1 .  CIO は生成 AI の「失敗」をエージェンティック AI の競争優位へと転換

生成 AI の急速な実証・検証が進んだ過去1年において、多くの企業は AI 活用を財務成果に結び付けることに苦戦し、試験導入の約95%が収益拡大にはつながらなかったとされています。しかし、これらの初期の取り組みは無駄ではなく、次の AI 成熟段階に向けて、どのような基盤が必要かについて、 CIO にとって重要な示唆をもたらしています。こうした学びを迅速に活用できる企業こそが、実質的な ROI の獲得に向けて優位に立つと見られています。
2026 年には、 CIO は主に 4 つの戦略領域に注力すると予想されます。具体的には、コンテキストエンジニアリング、信頼できるデータ基盤、エージェントのオーケストレーション、そして AI ガバナンスです。適切な情報を適切なタイミングで提供できるシステム設計が、エージェンティック AI の可能性を引き出す上で不可欠になります。これらの変化により、 AI は実験段階から実行フェーズへと移行し、大規模かつ測定可能なビジネス価値の創出が可能になると見込まれます。

 

ジェネシス チーフ・ピープル・オフィサー エヴァ・マイェルチク

トレンド 2 . 人材定着戦略の中核は「採用」から「アップスキリング」へ

人材戦略における次のフロンティアは、採用ではなく「再創造(リインベンション)」にあります。 AI が職務内容をリアルタイムで変化させるなか、 HR 部門にとっての新たな競争優位は、外部から AI 人材を採用するスピードではなく、社内で AI リテラシーをいかに迅速に構築できるかにかかってくると見られています。今後、学習は福利厚生の一要素ではなく、成果創出の前提条件へと変化し、 AI に関するトレーニングがあらゆる職種に組み込まれていくと予想されます。人材領域における AI 施策の成否は、チームをいかに効果的に再教育し、再構想し、再配置できるかに左右されます。 HR は、適応力を中核的なスキルと位置付け、「継続的な学習」をビジネス KPI とするような組織文化の変革を主導していくことが期待されます。

 

トレンド 3 . 人事部門は「人とAIの協働」を設計する存在へ

AI があらゆる業務機能に組み込まれていく中で、人と AI がどのように協働するのかを定義する役割は、人事部門が担うことになると見られています。人事部門は、組織構造の見直しから人材領域における AI 活用の推進に至るまで、人材戦略を明確にし、その推進において重要な役割を果たすことが期待されます。単に AI スキルを持つ人材を採用するのではなく、全社的なアップスキリング、職務の再設計、そしてチェンジマネジメントを通じて、すべての従業員が「 AI を避けて働く」のではなく、「 AI とともに働く」ことを可能にする環境づくりが求められます。また、人事部門は、人間中心の AI を実現するための文化的変革を主導し、「誰がスキルを持っているか」だけでなく、「誰がそのマインドセットを備えているか」という視点を重視していくことが期待されます。競争力の鍵は、 AI 人材を見つけることだけでなく、社内で育成できるかどうかにあります。人事部門にこうした変革を主導させる企業は、 AI の潜在力を最大限に引き出すとともに、優れた従業員体験の実現につなげていくことができると考えられます。

 

ジェネシス チーフ・テクノロジー・オフィサー グレン・ネザーカット

トレンド 4 . 「記憶しない AI 」に未来はない

AI 分野で主導的な立場を確立するためには、意図をもって「記憶する」知能を構築することが求められます。かつてアナログ時代においては「忘れること」は許容されていましたが、デジタル環境においては、それは設計上の欠陥となりつつあります。今後重要となるのが、データを記憶へと変換し、行動を学習へと結び付ける「認知インフラストラクチャー」です。この枠組みは、 AI に継続性をもたらし、経験を積み重ねて知見へと昇華させる基盤となります。 AI における「記憶」は、無制限に保持されるものではなく、選択的かつ圧縮され、ポリシーに基づいて管理される形で設計されていきます。しかし、そうした制約の中でも、知能は時間を通じて機能し続けることが可能になります。こうした進化により、 AI は顧客との接点ごとにリセットされる存在から、過去のやり取りを踏まえて推論する存在へと変化していきます。 AI に「記憶」を持たせることができる企業は、顧客にもまた記憶される存在になると考えられます。なぜなら、ロイヤルティも知能と同様に、決して忘れないからです。

 

トレンド 5 .  LAMs が「予測型オーケストレーション」を標準へ

2026 年は、 AI が「観察する存在」から「実行する存在」へと移行する年になると見られています。大規模言語モデル( LLM )によって、 AI は解釈や対話、文脈理解といった表現能力を獲得しましたが、表現だけでは実行に結び付かない AI は、その限界に直面しつつあります。次の世代のシステムは、大規模アクションモデル( LAMs )を通じて、理解を行動へと変換し、目的をもって動くようになると予想されます。これは、 AI が単に世界を表現するのではなく、実際に関与するエージェンティック・インテリジェンスの台頭を意味します。
LAMs により、カスタマーエクスペリエンスは従来の「反応の連鎖」から脱却し、将来を見据えて機能する制御システムへと進化していくと見込まれます。次世代の AI は、問題が発生した後に対応するのではなく、意図シグナルやマイクロコンテキスト、時間的パターンに基づき、摩擦が生じる前にルーティング、助言、エスカレーション、介入を行うようになります。
その結果、顧客ジャーニーは事後的に修復されるものではなく、事前に形成されるものへと変化します。競争の軸も、「どれだけ適切に対応できたか」から「どれだけ早く行動できたか」へと移行し、現実を先回りして捉える知能を備えた企業が、優位に立つことになると見られます。

 

ジェネシス チーフ・プロダクト・オフィサー オリヴィエ・ジューヴ

トレンド 6 . インテリジェンスは「管理」を超え、オーケストレーションへ

企業は、業務プロセスの管理からインテリジェンスのオーケストレーションへと進化しつつあります。近い将来、数千規模の AI エージェントが、あらゆるワークフロー、機能、チャネルを横断しながら、状況を感知・予測し、シームレスに行動することで、ビジネス全体のリズムを同期させるようになると見られています。こうした中で、エクスペリエンス・オーケストレーション・プラットフォームは、企業活動における新たなオペレーティングシステムとして台頭しています。大規模言語モデル( LLM )、大規模アクションモデル( LAMs )、モデル・コンテキスト・プロトコル( MCP )、そしてエージェント間連携( A2A )を基盤に、顧客体験および従業員体験は、管理され反応的なものから、適応的で自己オーケストレーション型の体験へと変化していくと見込まれます。
その結果、あらゆるインタラクションは、リアルタイムで形成される動的なジャーニーの一部となります。専門性を持つ AI エージェントが、営業、サービス、マーケティング、オペレーション、財務といった各部門で人と連携しながら機能することで、組織全体として調和の取れた意思決定と行動が可能になります。この変化は、単なる自動化を超え、データ、 AI 、人を統合する動的かつ自己調整型の基盤への移行を意味します。インテリジェンスがオーケストレーションを駆動する一方で、その在り方を規定するのはガバナンスと倫理です。先進的な企業は、エージェンティックなエコシステムが信頼性と整合性を保って機能するよう、明確なガードレールと透明性の高い監視体制を構築していくと見られています。こうした自律性と説明責任のバランスを伴うオーケストレーションを実現できる企業は、高い精度と適応力を備え、「生きている」かのような知能を実現していくことが期待されます。

 

トレンド 7 . エージェンティック・トランスペアレンシーが、企業の信頼を測る新たな基準に

AI 時代において、透明性は企業に対する信頼を測る新たな基準になりつつあります。エージェンティック AI の自律性が高まる中で、組織がどのように説明責任を果たすかが、その信頼性を左右する要素となります。かつて ESG が企業責任のあり方を再定義したように、エージェンティック・トランスペアレンシーは、顧客、従業員、規制当局、そして社会全体からの評価のされ方を変えていくと考えられます。ジェネシスの調査によると、消費者の 80 %が明確な AI ガバナンスを求めている一方で、包括的な監視体制を整えている CX リーダーは 31 %にとどまっており、 AI を巡る信頼のギャップが拡大している実態が明らかになっています。数千規模の AI エージェントが企業エコシステム全体で行動し、相互に連携する時代においては、透明性は個々のモデルから相互接続されたネットワーク全体へと拡張していく必要があります。今後は、規制当局による監視の強化により、自律型システムが倫理的に運用され、新たな AI 関連法規を遵守し、人間および組織の価値観と整合していることを示すことが求められるようになります。そのため企業には、自社の AI エージェントが「誰であるのか」「何を許可されているのか」「どのように意思決定を行うのか」を明確に開示する必要があります。ガバナンスは、説明可能性、監査可能性、説明責任を設計段階から組み込んだ“動的なフレームワーク”へと進化していきます。先進的な企業は、 AI 関連法規への準拠を確保しながら、イノベーションと俊敏性を維持するためのガードレールを構築していくと見られています。将来を見据えるリーダー企業は、透明性を単なるコンプライアンス対応としてではなく、戦略的優位性として捉え、すべての意思決定プロセスに信頼と誠実さを組み込んでいきます。責任ある AI を企業運営の中核原則とすることで、コンプライアンスは信頼へと転換され、持続的な競争力の源泉となることが期待されます。

 

ジェネシスクラウドサービス株式会社 代表取締役社長 ポール・伊藤・リッチー

トレンド 8 .  CX の未来は、 AI によるエクスペリエンス・オーケストレーションによって定義される

日本市場において、 AI 活用はすでに実証や部分導入の段階を超えつつあり、エージェンティック AI に牽引される新たな変革フェーズが生まれつつあります。この動きは、慢性的な人手不足や、限られた人員で高品質かつ迅速な対応が求められるコンタクトセンター業務への負荷の高まりを背景に、さらに加速しています。日本における「おもてなし」に象徴されるように、パーソナライズされ、効率的で、シームレスに連携された顧客体験への期待が高まる中、 AI を活用したエクスペリエンス・オーケストレーションは、次世代 CX の中核となりつつあります。エクスペリエンス・オーケストレーションは、顧客および従業員のジャーニーを、あらゆるインタラクション、チャネル、タッチポイントにわたって統合し、 AI を日常業務に組み込むことで、測定可能なビジネス成果へと直接結び付けるアプローチです。これは、従来の自動化を超え、継続的に学習しながらリアルタイムで最適化されるオーケストレーションへの転換を意味します。これにより、業務の効率化を実現しながら、日本の顧客が期待する共感性やサービス品質を維持することが可能になると見込まれます。

 

日本企業への示唆

より広い視点では、現在、サービス経済からエクスペリエンス経済への移行が進んでおり、効率性だけでは十分とは言えなくなっています。企業は今や、あらゆる接点において、シームレスでパーソナライズされ、共感性のある体験をどれだけ提供できるかで競争しています。 AI はもはや付加的な存在ではなく、企業活動の基盤となりつつあります。人と AI を組み合わせることで、より自然で文脈を理解したエンゲージメントを実現し、顧客との関係強化や長期的なロイヤルティの構築につなげることが可能になります。同時に、日本企業において今後ますます重要になると見られるのが、テクノロジーだけでなく、「人」と「信頼」を軸とした変革です。特に日本の顧客は、自身の文脈データがどのように活用されるかに対して高い関心を持っており、企業には、データが責任ある形で、透明性をもって、かつ顧客体験の向上という目的に限定して活用されていることを明確に示すことが求められます。これには、ガバナンスを前提とした AI 導入、透明性の確保、責任あるイノベーションの推進が含まれます。さらに、これらを支えるガードレールの設計や、強固なデータプライバシーの取り組みも不可欠です。これらの要素に加え、従業員が AI と効果的に協働するためのアップスキリングは、今後の CX 戦略における重要な柱となると見込まれます。こうした背景を踏まえ、日本企業は、 AI を活用してつながりのあるインテリジェントなジャーニーをオーケストレーションし、従業員エンゲージメントを高めながら、長期的なビジネス成長を実現していくことが求められます。そして、エクスペリエンス経済における CX 戦略の進化を支援するパートナーとして、顧客とともに歩んでいく姿勢が重要になります。

 

将来予想に関する記述について

本プレスリリースに記載されている内容のうち、過去または現在の事実に関する記述を除くものは、将来予想に関する記述であり、一定のリスクおよび不確実性を伴います。これらの将来予想に関する記述は、本プレスリリース発表日時点の情報に基づいており、今後のさまざまな要因により、実際の結果や業績が記載内容と大きく異なる可能性があります。ジェネシスは、法令により求められる場合を除き、本プレスリリース発表後に生じた状況や事象を反映するために、これらの将来予想に関する記述を更新または修正する義務を負うものではありません。

 

【ジェネシスについて】
ジェネシス® は、最高のカスタマーエクスペリエンスと従業員体験を創出するために、世界中の 8,000 を超える企業を支援しています。 Genesys Cloud™  は、エージェンティック AI を中核に据えた AI 駆動の「エクスペリエンス・オーケストレーション」プラットフォームであり、企業全体の人・システム・データ・ AI をつなぎます。その結果、企業は顧客ロイヤルティや成長、リテンションを推進すると同時に、人と AI のワークフォースを横断して業務効率とチームワークを高めることができます。詳しくはwww.genesys.com/ja-jpをご覧下さい。

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