コンタクトセンターを「ケアセンター」に再構築

Electrolux は、B2C(企業と消費者間)、D2C(直接販売)販売戦略の一環として、コンタクトセンターを顧客重視のケアセンターに転換しました。この取り組みには、Genesys Cloud プラットフォームと Genesys のプレディクティブエンゲージメント、Google Cloud と SAP の連携機能が活用されています。 同社は、チャネル全体でプロセスとレポートを統一し、初回解決率(FCR)、ネットプロモータースコア(NPS)、オペレーター満足度の向上と、平均処理時間(AHT)の 56 秒短縮を達成しました。

促進

オンラインストアの稼働・展開

56 秒

平均処理時間(AHT)の短縮

75% 超

ボットの意図理解度

問い合わせのうち 1.5% を解決

AI のみによる顧客対応

向上

初回解決率(FCR)、ネットプロモータースコア(NPS)、従業員満足度

45 秒短縮

顧客の待ち時間短縮により、顧客のストレスが大幅に軽減

イタリアと英国のコンタクトセンターをデータドリブンなケアセンターに転換できました。 イベント間の関連性を明確にし、会話が売上に貢献した理由、貢献しなかった理由を確認しながら、エクスペリエンスを改善することができます。

Mateusz Jazdzewski

IT Peace of Mind Solutions Manager and Head of CX Product

Electrolux

画期的な B2C、D2C 販売戦略

世界有数の家電メーカーの 1 つである Electrolux は、世界中の人々の生活を豊かにすべく取り組んでいます。 スウェーデンに本拠地を置く同社は、この基本理念をあらゆるアイデアや、製品、コミュニケーションで体現しています。 家電市場は急速な変化の最中であり、消費者は実店舗とオンラインストアを自由に選択する時代になっています。

e コマースの拡大を受け、Electrolux は、B2C チャネルと D2C チャネルに可能性を見い出しました。そこで、消費者により近い販路開拓を目標に、Consumer Centric Transformation(ConCenT)プログラムを開始しました。 その手段として、コンタクトセンターを再設計し、効率性の向上とイノベーションの加速を目指しました。

Electrolux の IT ピース・オブ・マインド・ソリューション担当マネージャー兼 CX 製品責任者であるマテウシュ・ジャズツェフスキー氏は次のように語ります。「従来のテクノロジーでは、B2C と D2C モデルを実現することは困難でした。 チャネルごとに異なるシステムを利用しており、CRM 連携はなく、アウトバウンド、ルーティング、レポート作成の各ツールも機能が限られていました。オペレーターはカスタマージャーニーの追跡に苦労し、処理時間は長く、サービスの一貫性は欠如していました。」

すべてにおいて顧客重視のソリューション

Electrolux は、3 段階の B2C・D2C 戦略を実施しました。 「当社がクラウドプラットフォームに求めていた機能は、オムニチャネルルーティング、AI ベースの分析、D2C セールスファネルを管理できる共通のオペレーター用デスクトップなどです」と、ジャズツェフスキー氏は付け加えます。 「Genesys Cloud は、この 3 つ以上のことを実現できます。」

オムニチャネル対応の Genesys Cloud プラットフォームは、効率的なマルチタスクを可能にします。インバウンド、アウトバウンド、E メール、チャットの会話を 1 台のデスクトップから管理できます。 オペレーターは、Genesys Cloud のインターフェイスを使用して同僚と迅速にコラボレーションできます。複数の画面やアプリを操作する必要はありません。 マネージャーとスーパーバイザーは、状況を常に可視化し、瞬時にレポートで詳細を確認し、キューやワークロードを監視します。

音声ボットとチャットボットに Google Cloud Contact Center AI が搭載されたため、顧客の意図を判断してセルフサービスオプションを提案することや、顧客からの問い合わせを最適なオペレーターに自動でルーティングすることが可能になりました。 「オペレーターにつながると、SAP C4C や当社のナレッジシステムから情報が自動的に表示されます。お客様の問い合わせごとに必要な情報すべてが手に入るのです」と、ジャズツェフスキー氏は語ります。

B2C、D2C モデルの仕上げとして、Genesys のプレディクティブエンゲージメントが、Web サイト上のカスタマージャーニーの点と点をつなぎます。人工知能(AI)と分析を活用して訪問者の行動と関心を明らかにし、そのインサイトに基づいてエンゲージメントをリアルタイムにパーソナライズするのです。

「このシステムは、Web ページの滞在時間が長くなるとフラグで通知します。オペレーターは、タイムリーに Web チャットを起動してサポートの提供や、顧客一人ひとりに最適な提案をすることができます」と、ジャズツェフスキー氏は付け加えます。 「ショッピングカートの放置を通知するアラートを設定すれば、オペレーターが顧客に販売再開を促すこともできます。」

コンタクトセンターをケアセンターに再構築

Electrolux は、すべてのチャネルで一貫したカスタマージャーニーとレポーティングを実現し、期待以上の成果を達成しています。 改善された点として、セルフサービスオプションの向上や、待機時間の短縮、顧客のストレスの大幅軽減などが挙げられます。 このような成果は、初回解決率(FCR)とネットプロモータースコア(NPS)の上昇に表れています。 その後、新型コロナウイルスの感染拡大が始まりましたが、Genesys Cloud を導入したことで、同社は計画よりも早くオンラインストアを展開することができました。

サービス効率も向上し、平均処理時間(AHT)が 56 秒短縮しました。 最初の 3 か月で、同社の Google Cloud コンシェルジュボットは顧客の意図を 75% 以上認識しました。 これには、英語やイタリア語で記述された設備機器の修理依頼も含まれています。 「ボットの意図認識が向上していきました。ユースケースとトレーニングを追加したので、ほぼ 100% の精度で認識することもあります」と、ジャズウスキー氏は語ります。

このシステムは、Web ページの滞在時間が長くなるとフラグで通知します。オペレーターは、タイムリーに Web チャットを起動してサポートの提供や、顧客一人ひとりに最適な提案をすることができます ショッピングカートの放置を通知するアラートを設定すれば、オペレーターが顧客に販売再開を促すこともできます。

Mateusz Jazdzewski

IT Peace of Mind Solutions Manager and Head of CX Product

Electrolux

オペレーターの満足度も向上しています。 「オペレーターにはとても好評です」と、ジャズツェフスキー氏は語ります。 「Genesys Cloud は、オペレーターの日常業務を改善しました。ショートカット、検索機能やまとめツールなどが特に役立っています。」

Genesys、Google Cloud、CRM のシステム間でデータを簡単に相互参照できるため、オペレーターのストレスも軽減されています。 スーパーバイザーは、インタラクションを正確に可視化できるため、 通話と画面の記録を使用して、適切なタイミングでコーチングを行えるようになりました。

ジャズツェフスキー氏は次のように締めくくりました。「イタリアと英国のコンタクトセンターをデータドリブンなケアセンターに転換できました。 イベント間の関連性を明確にし、会話が売上に貢献した理由、しなかった理由を確認しながら、エクスペリエンスを改善することができます」

概要

業種: Manufacturing and retail

所在時: Sweden and global

企業規模: Around 150 agents, rising to around 1,000 agents across Europe

課題

  • 顧客チャネルの分断、カスタマーエクスペリエンスの不統一
  • D2C 実践に必要な効率性の欠如
  • CRM 連携なし