コールセンターやコンタクトセンターの運営において、CTIシステムは業務効率と顧客体験を左右する重要な基盤です。クラウド化やAIとの連携が進む現在、「CTIとは何か」を正しく理解し、自社に最適なシステムを選定することが重要です。しかしながら、「CTIとは何か」「どのような機能があるのか」「クラウド型を選ぶべきか」「AIと連携して活用するとは?」など、導入検討の段階では分かりにくい点も多いのではないでしょうか。

本記事では、CTIの基礎から機能、最新トレンドまでを整理し、導入検討に必要な視点、比較検討に役立つポイントをわかりやすく解説します。(2026/08/13更新)

目次

 

CTI (コンピュータテレフォニーインテグレーション) とは?

CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話(音声)システムとコンピュータ上の業務システムを連携させるための基盤技術です。通話を単なる音声として処理するのではなく、顧客情報や対応履歴といった業務データと統合して活用できる点が特徴です。
 
CTIの仕組み
CTIは、PBX(構内交換機)やCRM(顧客管理システム)、通話録音・分析ツールなどと連携し、着信時の顧客情報の自動表示や通話履歴の記録を可能にします。これにより、オペレーターは状況を把握したうえで迅速かつ適切な対応ができ、コンタクトセンター・コールセンター全体の業務効率と顧客体験(CX)の向上を支える重要な役割を担います。

CTI システムが備える基本機能

CTI システムが備える基本的な機能には、どのようなものがあるか見てみましょう。
電話着信(インバウンド電話発信(アウトバウンド、そして顧客管理システムとの連携という 3 つのシーンで役立つ機能を紹介します。また、従来のルールベースな制御だけでは対応の最適化に限界があるため、近年ではAIを活用した分析や判断が組み合わされることで、より高度な応対や継続的な改善が可能になっています。AIの進化による活用にも触れていきます。
 

電話着信 (インバウンド)

顧客から電話の着信(インバウンド)があった場合、CTIは通話と業務データをリアルタイムに結び付ける役割を担います。

  • 着信ポップアップ(スクリーンポップ):
    着信時に顧客情報や過去の対応履歴を自動表示する機能です。オペレーターは通話開始と同時に状況を把握できるため、スムーズで的確な対応が可能になります。
  • IVR・ACD・ルーティング機能との連携:
    IVRACDと連携することで、問い合わせ内容や顧客属性に応じて最適な担当者へ自動振り分けが行われます。これにより転送の削減や一次解決率の向上につながります。
  • 通話録音・履歴管理:
    通話内容を録音し、対応履歴として保存・管理する機能です。応対品質の改善やトラブル時の確認、オペレーター教育などに活用できます。

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電話発信(アウトバウンド)

アウトバウンド対応においても、CTIは発信操作と業務データを連動させる基盤として機能します。

  • クリックトゥコール(ワンクリック発信):
    CRMや顧客リスト上の電話番号をクリックするだけで発信できる機能です。番号の手入力が不要になるため、発信業務の効率化と入力ミスの防止につながります。
  • アウトバウンド発信機能との連携:
    キャンペーン管理や自動発信機能と連携することで、効率的に大量発信を行えます。リスト管理や発信結果の記録も自動化され、生産性向上と進捗管理の精度向上に貢献します。

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顧客管理ツール (CRM) との連携

顧客管理ツールと CTI システムの連携ができれば、電話番号・録音データを顧客情報に紐づけることができます。対応中の顧客が新規顧客なのか、利用歴の長い優良顧客なのかをオペレーターの記憶に頼るのではなく、 CTI システムによって表示可能にします。

電話着信や電話発信、CRM システムとの連携に加えて、オペレーターのパフォーマンスを管理分析する機能も欠かせません。通話時間や通話内容の分析から、対応の品質を満たしているか、どのようなトレーニングが必要かを提示させることも可能で、オペレーターのパフォーマンス向上に寄与します。
 

【もっとCRM システムとの連携機能について知りたい方はこちら】:
CX Cloud:Genesys と Salesforce の連携

 

AIの活用

近年のコンタクトセンターでは、問い合わせの多様化や人手不足、CX指標の重視といった環境変化により、通話制御や着信振り分けといった従来のCTI機能だけでは対応が難しい場面が増えています。顧客の意図や感情の理解、状況に応じた最適な判断が求められるためです。AIを活用することで、音声認識や感情分析によるリアルタイム支援、バーチャルエージェントによる自動応答、対応履歴を活かしたパーソナライズやジャーニー最適化が可能になります。これにより、CTIの基盤機能を拡張しながら、応対品質の向上と業務効率化を同時に実現できます。

  • 音声認識通話内容をリアルタイムでテキスト化し、オペレーターの理解を支援するとともに、記録や分析にも活用できます。通話要約やナレッジ提示の基盤となり、応対品質と後処理効率の向上に貢献します。
  • 自然言語理解(NLU):顧客の発話内容から意図や目的をAIが解析し、言い回しの違いを踏まえて意図や目的を把握する技術です。例えば、表現が異なっても同じ問い合わせとして認識し、適切な推奨応答やナレッジ提示につなげます。問い合わせ内容の自動分類やセルフサービスの高度化を支える基盤技術です。
  • 感情分析声のトーンや話し方、使用される言葉から顧客の感情状態を可視化します。クレーム兆候の早期検知やエスカレーション判断を支援し、CX改善に役立ちます。
  • 応答予測と最適ルーティング顧客の問い合わせ内容や履歴、スキル情報をもとに、最適なオペレーターや対応方法をAIが判断します。一次解決率の向上と対応時間の短縮を同時に実現します。

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AI を活用したカスタマーサービスの自動化
 

CTI×AIの連携で可能になる業務改善

コンタクトセンターの現場では、問い合わせの複雑化や人手不足、CX指標の高度化により、CTIだけ、あるいはAIだけでは解決しきれない課題が増えています。そのため、AIは顧客の意図や状況を理解・判断する役割を担い、CTIは通話制御やシステム連携を実行する役割を担うという役割分担が行われています。この「AIが判断し、CTIが制御する」連携モデルこそが、2026年のコンタクトセンター運営における現実解です。両者を組み合わせることで、応対品質の向上と業務効率化を同時に実現できる現場が増えています。

CTI×AIの連携で可能になる業務改善

 

一次対応の高度化

AIが顧客の発話内容を自動認識し、問い合わせ意図を特定。CTIが適切なスキルを持つ担当者やセルフサービスへ接続することで、一次対応での解決率(FCR)が向上します。結果として、顧客の待ち時間や転送回数の削減につながります。

クレーム対応強化

AIが通話中の感情変化を検知し、緊急度が高い場合はCTIが判断し、スーパーバイザーへ即時エスカレーションします。問題の深刻化を防ぎながら迅速なフォローが可能になり、顧客体験(CX)向上をサポートする体制を構築できます。

ルーティングの最適化

AIが顧客属性や過去履歴、問い合わせ内容をもとに最適な対応先を判断し、CTIがリアルタイムでルーティングを制御します。人員配置やスキルのミスマッチを減らし、対応時間の短縮と応対品質の安定化を実現します。

後処理・記録の自動化

通話終了後、AIが会話内容を要約し、対応履歴を自動生成。CTIを通じてCRMなどへ記録されることで、オペレーターの入力作業を大幅に削減できます。これによりACW短縮と業務負荷軽減が同時に実現します。

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外部環境の変化に対応するために、クラウド型がおすすめ

ここまで CTI システムに関する説明を行ってきましたが、実際に選ぶ際には、センターで何を重視しているのかを決定することが重要です。

コロナ以降、営業時間を変更したり、在宅勤務に対応したりと、外的環境によってセンターの運用を柔軟に変えるケースが増えています。これに加えて、運用費用を低減するために、これまで外部に出していた設定変更等を内製化するという理由からクラウドが選ばれることが増えています。

CTI を導入する際には、ぜひ外部環境の変化に柔軟に対応できるクラウド型のシステムをご検討ください。

 

CTI システムの比較 (オンプレミス型とクラウド型)

CTI システムを実際に導入しようとする際、オンプレミス型またはクラウド型のどちらかを選ばなければなりません。それぞれにどのような特徴があるのか、比較してみましょう 。

クラウド型 オンプレミス型
導入費用 初期投資は比較的低く抑えられる。 設備を保有するため初期投資が高額になりやすい。
運用・管理コスト インフラの管理はサービス会社が行うため負担が少ない。従量制・定額制になるために長期間で使用するとオンプレミス型よりもランニング費用が高くなる場合もあるが、システムの更新費用が発生しない。 運用から管理まですべて自社で行うので負担が大きくなりやすい。大規模センターの場合、長期間で見るとランニングコストを低く抑えられることもあるが、数年に一度、システムのリプレース費用が発生する。
導入スピード オンライン経由により短期間での導入が可能。 社内の環境構築に時間がかかる。
新機能の追加 比較的短期間で新機能が追加される。 新機能追加までに時間がかかる。
セキュリティ サービス業者に依存する。 自社が希望するセキュリティ要件を満たすことが可能。
既存システムとの連携 システムに依存する。 自社が求めるカスタマイズが可能
拡張性 システムに依存する。 自社が求めるカスタマイズが可能。

オンプレミス型の特徴

オンプレミス型の特徴は、自社専用システムを開発・導入できる点です。自社でサーバーを保有または新規に設置し、社内システムの要件に合わせて CTI システムをカスタマイズできます。

既存のコールセンターのシステムを活かしながら自社に必要な機能を選択し、 CTI システムを作り上げていくことが可能です。 CRM や SFA (営業支援ツール) とも連携させやすいといえます。

その一方で、 CTI システム開発・導入や維持にかかる時間や費用などのコストは、クラウド型に比べて高くなります。自社サーバーに CTI システムをインストールしますので、サーバーの保守を含めた CTI システムの運用管理をできる人材がいなければなりません。

また、新しい技術やサービスを柔軟かつスピーディーに取り込むのが難しく、顧客の消費行動の変化に対応するには、 CTI システムを組み直す必要があります。

クラウド型の特徴

クラウド型の特徴は、自社で CTI システムの開発や管理運用をする必要がない点です。システム提供会社が開発した CTI システムをネットワーク経由で利用しますので、ライセンス料を含む導入費用や維持にかかる月額費用が少ないといえます。利用開始までに要する時間も、オンプレミス型より短いです。

ネットワークに接続できるデバイスとインターネットアクセスがあれば、場所を選ばずに CTI システムを利用できます。新たなコンタクトセンターを立ち上げる際、都市部などコストの高い場所を避けることが可能です。それに加えて、オペレーターのテレワークで勤務など、オンプレミス型と比べると比較的容易に実施できます。

その一方で、セキュリティ対策がサービス提供会社によって異なる点に注意が必要です。クラウド型の場合、複数の企業が同じサービスを利用します。最近では API 連携などが拡張されつつあるものの、システムによってはカスタマイズの自由度がオンプレミス型よりも低く、既存のコールセンター機能との連携が可能かどうかの確認が必要です。

 

クラウドに移行する際の要件チェックリスト:社内外の要件整理に便利なシート

クラウドに移行する際の要件チェックリスト:社内外の要件整理に便利なシート

 

コールセンターシステムの要件定義、社内における調整事項、外部ベンダー選定にあたってのチェック項目などを網羅したリストとなります。
このチェックリストを活用して、システム移行をスムーズにおこないましょう。

資料をチェックする

 

 

 

 

 

クラウド型の CTI システム導入成功事例

ここでは、クラウド型の CTI システムを導入して業務改善につなげた事例を取り上げます。 CTI システムを導入したコンタクトセンターが、どのような効果をもたらしたか紹介しましょう。

株式会社 SBI 証券様

SBI証券様

 

SBI証券は、急速な口座数拡大と市場環境の変化により、コンタクトセンターへの問い合わせが増加する中、従来のオンプレミス型電話基盤では対応に限界を抱えていました。大量着信への対応力や操作性、将来的な拡張性を重視し、クラウド型CTI基盤としてGenesys Cloudを導入。これにより1日あたり最大1万件規模の問い合わせに対応できる体制を構築しました。

直感的な操作画面によりオペレーターの負担が軽減され、保留時間や通話時間を短縮。さらに、通話録音や品質管理機能をプラットフォーム上に一元化することで、スーパーバイザーの業務生産性は90%向上しました。電話インフラにかかっていたコストも大幅に削減し、30~40人分のFTE相当の削減効果を実現しています。

加えて、コールバック予約機能を内製で実装し、急増する問い合わせにも柔軟に対応。クラウドCTI基盤への刷新により、安定運用とCX向上、業務効率化を同時に達成しています。

【事例詳細】株式会社 SBI 証券「重要な局面にある金融市場で勝ち抜く」
 
 

AI内包型プラットフォーム「Genesys Cloud 」


 

 

Genesys Cloudは、CTI機能を含む単なる電話連携システムではなく、コンタクトセンター運営全体を支えるCXプラットフォームです。通話制御やルーティングといったCTIの役割に加え、AI、分析、オムニチャネル管理、WFMなどを統合的に備えています。クラウド型CTIのため、顧客接点の増加や働き方の変化といった外部環境の変化にも柔軟に対応でき、常に最新の機能を活用できる点も大きな特徴です。AIを前提とした設計により、業務効率化と顧客体験の向上を同時に実現できる次世代のコンタクトセンター基盤として、全世界で多くの企業に採用されています。


 
 
 

その他CTIに関連する質問(FAQ)

最後に、問い合わせ対応に関して、よくご相談頂く内容を FAQ 形式でご紹介いたします。皆様のコールセンターの課題解決にお役立てください。

Q:オンプレミス型のCTIの特徴とは?

A:オンプレミス型の特徴は、自社専用システムを開発・導入できる点です。自社でサーバーを保有または新規に設置し、社内システムの要件に合わせて CTI システムをカスタマイズできます。既存のコールセンターのシステムを活かしながら自社に必要な機能を選択し、 CTI システムを作り上げていくことが可能です。 CRM や SFA (営業支援ツール) とも連携させやすいといえます。

その一方で、 CTI システム開発・導入や維持にかかる時間や費用などのコストは、クラウド型に比べて高くなります。自社サーバーに CTI システムをインストールしますので、サーバーの保守を含めた CTI システムの運用管理をできる人材がいなければなりません。また、新しい技術やサービスを柔軟かつスピーディーに取り込むのが難しく、顧客の消費行動の変化に対応するには、 CTI システムを組み直す必要があります。
 

Q:クラウド型のCTIの特徴とは?

A:クラウド型の特徴は、自社で CTI システムの開発や管理運用をする必要がない点です。システム提供会社が開発した CTI システムをネットワーク経由で利用しますので、ライセンス料を含む導入費用や維持にかかる月額費用が少ないといえます。利用開始までに要する時間も、オンプレミス型より短いです。ネットワークに接続できるデバイスとインターネットアクセスがあれば、場所を選ばずに CTI システムを利用できます。新たなコンタクトセンターを立ち上げる際、都市部などコストの高い場所を避けることが可能です。それに加えて、オペレーターのテレワークで勤務など、オンプレミス型と比べると比較的容易に実施できます。

その一方で、セキュリティ対策がサービス提供会社によって異なる点に注意が必要です。クラウド型の場合、複数の企業が同じサービスを利用します。最近では API 連携などが拡張されつつあるものの、システムによってはカスタマイズの自由度がオンプレミス型よりも低く、既存のコールセンター機能との連携が可能かどうかの確認が必要です。
 

Q.CTI システムを導入すべきケースとは?どのような課題解決に向いていますか?

A: CTIシステムの導入を検討したほうがいいケースをご紹介します。既存のコールセンター業務に、次のような課題がある場合には、CTIシステムの導入によって改善するケースが多いといえます。入電が多く対応が追いついていないケース入電数に対応が追いついていない場合、考えられる原因はいくつかあります。オペレーターの対応開始までにかかる時間が長く、顧客を待たせてしまうなどです。このような場合、 CTI システムの自動音声応答や ACD 機能で改善できます。

自動音声応答で混み合っていることを伝えれば、顧客は「かけ直す」、または「待つ」という判断ができます。プッシュボタンの操作に対応していれば、顧客が自ら課題解決に動くケースもあるでしょう。 ACD 機能なら、自動的に空いているオペレーターにコールを回すことができます。
 

オペレーターの顧客対応にばらつきがあるケース

オペレーターによって顧客対応にばらつきがある場合、スキルや経験不足のオペレーターに対するフォローが必要です。 CTI システムの導入で、スキルや経験に不安があるオペレーターには、ベテランオペレーターやスーパーバイザーがつき、チャットなどでアドバイスをしながら対応を進めることもできます。録音した通話から苦手分野を特定し、研修でスキルアップを図ることも可能です。
 

オペレーターの人材確保が難しいケース

オペレーターの人材確保も大きな課題です。入電に対して対応が追いついていないケースとの共通課題でもあります。このような場合、コンタクトセンターとしてできることのひとつに、オペレーターの在宅勤務体制の整備があります。 CTI システムの双方向音声応答は、オペレーターが自宅にいても対応を可能にする機能です。長距離の通勤を避けたい」「時間を有効活用したい」など、働き方に柔軟性を持たせることで、勤務の継続や応募のハードルを下げることが期待できます。コロナ禍で高まったリモートワークへの要望に応えるという意味でも、オペレーターの働きやすさを考える必要があるといえるでしょう。