ニューノーマル:ビジネス継続性の再定義

私は先週、ジェネシスの戦略ビジネスコンサルティング担当グローバルVPであるBarbara Gonzalezとともに、2社のお客様とオンライン上で同席するという稀有な機会に立ち合いました。そのお客様とは、ワシントン州ベルビューに本拠を置くeFinancialのITバイスプレジデントのPaul Bourdeaux氏、そして南アフリカのMr. Price Group Ltd.のIT責任者であるColin Salvensen氏です。数回のミーティングを重ねてビジネス継続性に関するWebセミナーを作成して配信しました。このなかで、パンデミック後の新たな状況に企業がどのように適応していけばよいかについて意見をご紹介しました。

 

eFinancial

eFinancialは2001年にソフトウェアスタートアップ企業として設立され、オンラインや電話での生命保険購入プロセスをシンプルにする取り組みを行っています。同社が当時から開発してきたシステムは、中間層の消費者が必要としている生命保険を一回の電話で購入できることを目的としています。今回のパンデミックの前まで、eFinancialはワシントン州、イリノイ州、アリゾナ州の3か所でコールセンターを運営していました。

Webセミナーの話し合いのなかでBourdeaux氏から説明があったとおり、大半の企業同様、eFinancialにもビジネス継続性に関する計画がありました。しかし、それは個別のオフィスの問題に対応するためのものでした。吹雪や停電、自然災害でオフィスの閉鎖を余儀なくされた場合の対応方法に特化した内容だったのです。他にもデータセンターの障害に対応するための緊急時計画が用意されていました。しかし、Bourdeauxも認めるように、すべてのオフィスで全員がリモートワークに素早く切り替えるための取り組みが計画に含まれることはありませんでした。

Genesys PureConnect®を長年利用してきたeFinancialは、2019年にオンプレミス・コールセンター・ソリューションに代わるものを調査し始めました。その目標は、より簡単にビジネスを拡大して、オペレーターが自宅から安全に仕事ができるようにすることです。2019年後半、同社はPureConnectのオンプレミスソリューションからGenesys Cloud™プラットフォームへの移行を決定しました。

段階的に導入を進める計画が立てられ、2020年4月30日から作業が開始されました。新型コロナウイルス感染症の影響でこの計画に変更があったとBourdeaux氏は説明しています。eFinancialでは、セールスとオペレーションのスタッフ全員を完全に移行するのに約3週間の準備期間がありました。Genesys Cloudへの移行はおおむね成功し、「Genesys Cloudのおかげで見つけた新たなリモートワーク能力を反映」するためにビジネス継続性計画を更新するとBourdeaux氏は述べています。

Mr. Price Group

Mr. Price Groupは自社のことを、現金主体でオムニチャネルに対応したファッション中心の小売企業だと説明します。若者をターゲットにしており、主に自社ブランドのアパレルや日用品、金融サービスや携帯電話サービスを1,200以上の店舗で展開しています。

南アフリカのロックダウンにより、Mr. Price Groupの店舗は2020年3月23日にすべて閉鎖されたとWebセミナーのなかでSalvesen氏は発言しています。コールセンターの運営は継続しましたが、問い合わせに対応するオペレーター全員が、顧客から次のような同じ質問を受けていました。どのように支払いをすればよいのか?支払いを滞りなく行うにはどうすればよいのか?ロックダウン前に行った注文の商品をどのように受け取ればよいのか?大量の問い合わせに対応するために、発信担当のオペレーターさえも完全な顧客対応オペレーターになったとSalvesen氏は言います。

南アフリカでは、2020年5月1日から国内全体で開始された非常に厳しいロックダウンの一部を段階的に緩和させています。南半球に位置する南アフリカが冬に入るため、必要とされる温かい衣服を提供する小売業者が営業を再開できるようになります。

Mr. Priceと大半の企業にとって、ロックダウンから回復するにはデジタルエンゲージメント・サービスを見直す必要があるとSalvesen氏は考えています。より良いデジタルインタラクションの手段として長年支持されてきた、顧客の声に耳を傾けること、そして店舗への入店制限というパンデミックがもたらした結果により、このテーマが活発に話されるようになっています。Mr. Price Groupでは、クラウドがデジタルトランスフォーメーション・ジャーニーの一翼を担います。「多くの企業とCEOがこうした話し合いを活性化させるでしょう」とSalvesen氏は述べています。

南アフリカのビジネス再開計画では、60歳を超える従業員はリモートワークを継続するよう推奨しています。他の国や都市でも同様の措置が取られると見られ、その措置がどの程度の期間続くかは不透明です。コロナウイルスの感染リスクが高い従業員に仕事を継続してもらうにはクラウド・コールセンター・アプリケーションが欠かせません。

今後の予定

eFinancialとMr. Price Groupはいずれもオフィス再開計画に満足しています。「今回の危機のなかで見つけたプラス面としては、柔軟な働き方を提供することが必ずしも生産性を下げるとは限らないということが分かった点です」とBourdeaux氏が言うように、eFinancialではオペレーターのスケジュールにさまざまなオプションを用意できるか探っています。

Mr. Priceでは、「Eコマースには長い歴史がありますが、ニューノーマルの時代のなかではEコマース独自のニューノーマルが必要になってきます」とSalvesen氏が述べています。この場合のニューノーマルとは、サービスレベルを引き上げて、顧客対応中にオペレーターがより多くの情報を得られるようにすることです。

Barbara Gonzalez、Paul Bourdeaux氏、Colin Salvesen氏の「ニューノーマル」についての話し合いの中で得られたすばらしい知見を紹介してきましたが、このブログには収まりきらない内容もあります。ブログ読者の皆さんは、オンデマンドで提供されるWebセミナー「ニューノーマル:ビジネス継続性の再定義」の完全版をぜひご視聴ください。

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