CTCブログ寄稿:第2回「コンタクトセンターにおけるマーケティングとの関連性」

著者:伊藤忠テクノソリューションズ EPコンタクトセンター技術部
カスタマーコラボレーションビジネス推進課 課長 堀田祐揮 推進担当 渡辺初奈/坂本美樹

 

前回のコラムで、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社( CTC )が取り組んでいる CCxDX の概要をご説明致しました。今回は、 CCxDX が目指す「コンタクトセンターの在り方」について、ご紹介します。

 

この2,3年、第三次 AI ブームの流れもあり、様々なところで「チャットボットの導入による効率化を目指す」「チャットの対応もできるようオムニチャネル化」など言われてきました。無人対応やチャネル変化に対する重要な考え方である一方で、テレワークの一般化やライフスタイルの劇的な変化に伴う応急処置として、システム導入された企業も多く、その成果やその導入効果は今後の指標になったものの、必ずしも良いものではなかったように感じます。

 

今、世の中のスタンダードは次のフェーズに差し掛かろうとしているように感じます。そんな中で改めて、前コラムでも触れた有人/無人対応の棲み分け、コミュニケータの働き方改革、コンタクトセンターのビジネス化など、そもそもの企業におけるコンタクトセンターの位置づけを見直す必要が出てきています。

 

見直すにあたり、最近コンタクトセンターにおいて、マーケティング用語がよく使われるようになってきています。例えば、 DMP ( Data Management Platform )や CDP ( Customer Data Platform )や MA ( Marketing Automation )などです。カスタマージャーニーというワードもよく出てくるようになりました。これはなぜでしょうか。

 

1つにはマーケティングとコンタクトセンターの距離感が近くなったこと

2つ目は3rdパーティデータ利用や個人情報の扱いが厳しくなったこと

3つ目は営業やマーケティングのスタイルが対面・訪問型から、リモートによるアプローチへと加速していること

があると考えます。

 

1:マーケティングとコンタクトセンターの距離感が近くなった

 

1つめのマーケティングとコンタクトセンターの距離感が近くなったのはなぜか、それはコンタクトセンターへのお問合せ前に、ユーザは必ずWebサイトで電話番号を調べたり、 FAQ を調べたりするようになったことです。このサイトアクセスがマーケティング部門のアプローチであり、これまでは FAQ やWebチャットの設置場所の考慮しかできていなかったコンタクトセンターが、どこにチャットの入り口を置けばアクセスに繋がるか考慮するようになり、マーケティングと業務的に連動する必要性がでてきました。

 

2:3rdパーティデータ利用や個人情報の扱いが厳しくなった

 

2つめの3rdパーティデータや個人情報の扱いが厳しくなったことについてはどうでしょうか。

クッキー情報の利用ができない、個人情報も簡単に扱えない、外部データの利用の制限が厳しいとなると、社内にあるリソースを使おうという考えが出てきます。これまでマーケティングの主流なやり方としては個人までの特定は行わず、セグメントという顧客を類似グループに分けてマーケティング的アプローチをしてきましたが、マーケティング分野においても個人レベルでのセグメンテーションであるパーソナライゼーションを行わなければ、ピンポイントでのニーズの訴求ができない状況になってきていました。そこで、社内にある個人情報や顧客の声が集まっているコンタクトセンターが着目されているのです。

 

3:営業やマーケティングスタイルが対面・訪問型から、リモートへと加速

 

3つ目は誰も予想していませんでしたが、世界中の方々のライフスタイルやビジネススタイルが変化しました。リモート中心で顧客へアプローチするには顧客対話のスペシャリストとしてコンタクトセンターの対話スキルを持つインサイドセールスのニーズも出てくるでしょうし、顧客対話記録をどう残すか、マーケティングと営業とサポート情報をどう連携するかというニーズも出てきます。

 

こういった様々な部門連係、情報連携、データ連携が活性化したことにより、マーケティングやセールス部門への貢献度が高くなり、それによって、コンタクトセンターのビジネス化に繋げられるものと考えています。

 

このように、様々な構造化/非構造化データをどのように収集し、どのように活用していくか。これまで主流であった「ビッグデータ」と区別される「ディープデータ」の活用が今後重要になってくると考えています。

 

CCxDX の実現」はディープデータを生成し部門間で有機的に連動し、相互活用することと言えるかもしれません。次回は、このディープデータの活用を通じて、どのようにして「コンタクトセンターのビジネス化」を実現するのか、についてご説明します。

 

 

■【 コンタクトセンターのDX化_Web動線活用・データ活用資料】下記URLよりダウンロードいただけます。

https://www.genesys.com/ja-jp/resources/ctc-dx-web-marketing

■【 CC×DX ビデオ】 CTC のコンタクトセンター DX  ~デジタルシフトの3つのメリット~

こちらから視聴いただけます。

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