カスタマーサービスシステムの選定では、単なる機能比較だけでなく、自社の業務フローや顧客体験に合っているか、将来を見据えた拡張性などを見極めることが重要です。ここでは、選び方のポイント、主要ツールの比較、導入による成功事例までを解説し、失敗しないカスタマーサービスシステム選びをサポートします。

 

目次

 

カスタマーサービスシステムとは

カスタマーサービスシステムとは、顧客からの問い合わせ対応やサポート業務を効率化するシステムを指します。メール・チャット・電話など複数チャネルを一元管理し、スムーズな顧客対応を可能にします。「カスタマーサポートソフトウェア」と呼ばれることもあり、実質的には同じ意味で使われています。

導入が必要となる企業

カスタマーサービスシステムは、問い合わせ件数が多いECやコールセンターを抱える金融・通信業界にとって、業務効率化に欠かせない存在です。ユーザー体験を差別化したいサブスクや SaaS 事業、営業や顧客対応の質が求められる B2B ビジネスでも導入が進んでいます。

 

カスタマーサービスでよくある 6 つの課題

カスタマーサービスの現場では、次のような課題が生じやすいものです。もし当てはまる点があれば、カスタマーサービスシステムの導入によって解決できる可能性があります。

 1 )対応が属人的

担当者ごとに経験やスキルの差があるため、顧客対応品質にムラが出てしまいます。結果として、顧客体験が安定せず不満やクレームにつながります。

 2 )問い合わせ増加に追いつけない

従来の電話やメールソフトだけの対応では対応件数に限界があり、問い合わせ件数の増加によって、待ち時間や対応遅延が発生します。顧客側に大きなストレスとなり、不満を募らせる結果を招きます。

 3 )問い合わせチャネルの多様化に対応できない

従来は電話やメールが中心でしたが、現在は Web チャットや LINE など多様なチャネルから問い合わせが寄せられます。複数チャネルを一貫して扱えないと対応が分断され、顧客に不信感を与える原因となります。

 4 )情報が分散している

顧客データや対応履歴が部門やツールごとに分散して管理されていると、全体像が把握できません。顧客に同じ質問や確認を行うことにより、満足度の低下につながるだけでなく、対応に時間を要することも問題となります。

 5 )業務効率が低い

よくある質問や定型業務に多くの時間を費やし、担当者が本来注力すべき対応にリソースを割けません。結果的にチーム全体の生産性も下がります。

 6 )顧客満足度の低下

1 )~  5 )の問題が重なって起こることにより、顧客は不信感を抱きやすくなります。その結果、クレームや離脱といった形で顧客ロイヤルティが失われます。

これらの課題が発生しているなら、システムの導入を検討してください。これらの課題をすべて解決できるのがカスタマーサービスシステムです。

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主な機能を紹介

カスタマーサービスシステムに搭載される主な機能をご紹介します。

 VoIP ( IP 電話)

インターネット回線を利用した電話機能で、顧客の用件に合わせて自動的に適切な担当者へつなげることも可能。通話の録音や内容の分析もできるため、対応品質の向上に役立ちます。

 SMS 管理

顧客の携帯端末へのメッセージ送受信を可能にし、迅速な通知やフォローアップを実現します。開封率が高く、予約確認や緊急連絡などでも効果的に活用できます。

ソーシャルメディア対応

Facebook Messenger 、 X/Twitter 、 Instagram 、 WhatsApp などの SNS からの問い合わせを一元管理できます。顧客が日常的に使うチャネルでのサポートを実現し、ブランド体験の向上につながります。

自動エージェント/ AI 

チャットボットや予測ルーティングにより、定型的な問い合わせを自動化します。人手を減らすだけでなく、迅速かつ 24 時間対応が可能となります。

 CRM 統合

顧客情報や対応履歴をシステム内で一元管理し、担当者が状況を把握しながら応対できます。パーソナライズしたサービスを提供でき、顧客満足度の向上に直結します。

 IVR (自動音声応答装置)

音声メニューにより顧客を適切な窓口へ案内し、待ち時間を短縮します。営業時間外の案内やセルフサービス化にも有効です。

 AI 構築機能

ドラッグ&ドロップなど直感的な操作で AI やボットを設計できます。専門的な知識がなくても、ノーコードで高度な自動応答や予測モデルを導入できます。

カスタマージャーニーの自動作成

顧客が Web やアプリ、コールセンターを行き来する流れを可視化し、自動でカスタマージャーニーを可視化します。顧客体験を横断的に管理でき、ロイヤルティ強化に貢献します。

 

失敗しないツールの選び方

ここでは、カスタマーサービスシステムの導入を検討される方に、失敗しないための正しい選び方をご紹介します。

 Step1 )課題の特定

まずは自社の顧客対応における課題を明確にすることが出発点です。応答の遅れや担当者間のバラつき、問い合わせ件数の増加など、具体的なボトルネックを洗い出すことで、導入すべき機能が見えてきます。

 Step2 )リソース確認

次に、導入に使える予算や人員体制、社内のITスキルを整理しましょう。高機能でも運用できなければ意味がありません。現実的な制約を把握することで、無理のない導入計画を立てられます。

 Step3 )規模・スケールに合わせて要件整理

中小企業と大規模コールセンターでは必要とされる機能が大きく異なります。規模や将来の成長に合わせて要件をまとめておくことで、過不足なく使えるシステムを選定できます。カスタマーサービスシステムによって、中小企業向け・大企業向け、それぞれ得意分野があることも。自社の規模を把握しておくことは重要です。

 Step4 )必須機能の明確化

CRM との連携、問い合わせ対応の自動化、セルフサービス機能など、自社にとって欠かせない機能をリストアップしましょう。優先順位をつけることで、比較検討の際に判断を誤りにくくなります。

 Step5 )サポート体制の確認

高機能なシステムを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。導入後のトレーニングや保守サービスの有無なども確認しておきましょう。運用開始後にトラブルが起きた際、ベンダーの支援が得られるかどうかでシステム活用度は大きく変わります。

 Step6 )製品比較・調査

最後に、 Step1 ~ 5 で明確化した要件を元に、複数の製品を比較し、ユーザーレビューや業界での評価を参考に候補を絞り込みます。客観的な情報を取り入れることで、導入後のギャップや後悔を減らせます。

参考に Genesys Cloud CX と主要なカスタマーサービスシステムの比較表をご用意いたしました。製品選定にお役立てください。

月額費用※ トライアル 特徴 注目の機能
 Genesys Cloud CX 約 11,700 円〜/ユーザー クラウド型 AI プラットフォーム。業務規模に応じた 4 つのプラン。 音声・デジタル統合、自動化・ AI(Bot/Copilot) 、ジャーニー管理など。
A 社 約 11,076 円〜/ユーザー 60 日間 サービス導入から支援、豊富なチャネル対応が特徴。  AI チャットボット、オムニチャネルルーティング、 CX アナリティクスなど。
B 社 不明 不明 統合型クラウド電話・コミュニケーションプラットフォーム。 音声通話、メッセージ、会議の統合、 AI バーチャルエージェントなど。
 C 社 約 3 円/分
(従量課金制)
30 日間 完全従量課金のクラウド CTI サービス。 音声・チャット、 AI 対応(顧客プロフィール/ケース管理)、分析など。

※ 1 ドル= 156 円換算で算出

※情報は、2025 年 12 月 12 日時点

ある程度選定が進んだら、複数の製品で無料デモを確認し、気になった製品のトライアル契約にて実際の使い勝手を体験することがおすすめです。

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カスタマーサービスの成功事例

株式会社紀陽銀行

紀陽銀行

紀陽銀行は「銀行をこえる銀行へ」をスローガンに、新たな銀行像を目指しチャレンジを続けています。

2018 年に地方銀行として初めて  Genesys Cloud  を導入し、ダイレクトマーケティングセンターを顧客対応の拠点に据えました。 SMS 連携により本人確認書類の提出率を向上させ、ガイダンス再生によってオペレーター負荷を軽減するなど、業務改善を実現。システムの管理画面からのクリック操作での正確な架電や CRM 連携によるスムーズな情報入力など、日常業務の生産性を高めています。加えて、スキルに応じた業務配分や社用スマホへの転送による柔軟な働き方も実現。今後は Agent Copilot やボイスボット、 Co-browse 機能など AI を活用した顧客体験の向上にも積極的に取り組んでいく構えです。

紀陽銀行は最先端のカスタマーサービス DX により、地方銀行の新しい顧客体験モデルを実現しています。

>クラウドの活用、システム連携などを駆使し、非対面コミュニケーションの顧客体験向上と効率化を両立

https://www.genesys.com/ja-jp/customer-stories/kiyobank

 

カスタマサービスの質を高め、顧客満足度の向上を目指そう

カスタマーサービスシステムは、顧客対応を効率化・自動化し、顧客体験価値を高める基盤です。選定のポイントは「自社の課題やリソースに合っているかどうか」であり、目的に合わせた製品選定が重要なポイントとなります。適切に製品を選んで導入すれば、業務効率化やコスト削減だけでなく、投資対効果( ROI )の向上にもつながり、持続的な競争力への支えとなることでしょう。

業務効率化と顧客体験向上を両立させたいとお考えなら、 Genesys Cloud のカスタマーサービスソリューションをご確認ください。

>高品質なカスタマーサービス・ソフトウェアが、高品質な体験を生み出す 

https://www.genesys.com/ja-jp/solutions/customer-service