株式会社紀陽銀行
クラウドの活用、システム連携などを駆使し
非対面コミュニケーションの顧客体験向上と効率化を両立
2018 年から GenesysCloud™ を利用し、非対面顧客対応の最前線であるダイレクトマーケティングセンターの業務改善を進めてきました。既に多くの業務で Genesys Cloud の多彩な機能を利用し、業務効率化と顧客体験向上を共に実現しています。さらに新機能を活用し、より一層の業務改革を進める予定です。
2018 年から GenesysCloud™ を利用し、非対面顧客対応の最前線であるダイレクトマーケティングセンターの業務改善を進めてきました。既に多くの業務で Genesys Cloud の多彩な機能を利用し、業務効率化と顧客体験向上を共に実現しています。さらに新機能を活用し、より一層の業務改革を進める予定です。
本人確認書類の提出率向上
SMS による情報提供で本人確認書類の提出率向上
オペレーターの負荷軽減
ガイダンスの再生によるオペレーターの負荷軽減
正しい架電の実現
システムの管理画面からクリック1つで、正しい架電を実現
スキルに応じた業務配分
スキルに応じた業務配分やセンター以外での電話応対
「ボイスボット、IVR、生成 AI などを活用することで、お客様の利便性向上だけでなくオペレーターの負担を軽減し、結果的に顧客対応の強化や顧客満足に繋げていきたいと考えています」
営業統括部 ダイレクトマーケティングセンター センター長 村上 豊 氏
株式会社紀陽銀行様は、ブランドスローガン「銀行をこえる銀行へ」の実現に向け、新たな銀行像を目指しチャレンジを続けています。また、2024 年 4 月に策定した第 7 次中期経営計画では「KX ~Kiyo transformation~長期ビジョンの達成・企業価値の向上に向けた企業変革への挑戦」に取り組んでいます。
センター長の村上豊氏は、「この実現に向けて、地方銀行でもこんなことをやっているんだ、と驚いてもらえるサービスの実現を目指しています」と語ります。同行は 2018 年から地方銀行としては初めて Genesys Cloud を採用。これまで銀行窓口で受け付けていた問い合わせの多くをダイレクトマーケティングセンター(以下、DMセンター)で対応することで、問い合わせ業務の一元化と顧客体験の向上を共に実現するコミュニケーション基盤として活用しています。新型コロナウイルス感染症の影響で非対面チャネルが日常的になり、DMセンターの役割はより一層重要となりました。
営業統括部 ダイレクトマーケティングセンター 主任 壷井 千純 氏
非対面の顧客対応を一手に引き受けるDMセンターでは、インターネットバンキングの操作案内や各種商品・サービスの問い合わせ対応、本店営業部や各本部への入電取次ぎ、無担保ローンの申し込みや問い合わせ対応などのインバウンド業務と、無担保ローンの案内、主に高齢の顧客に対するフォローアップやセミナーの案内といったアウトバウンド業務の両方を行っています。これらの業務の様々なシーンで、Genesys Cloud が業務改善に役立っています。
主任の壷井千純氏は、「例えば Genesys Cloud と SMSサービスを API 連携することで、操作画面から直接お客様にショートメッセージを送れるようになっています。ローンの申込みの会話中に SMS を配信することで、お客様に本人確認資料のご提出を訴求し、提出率が高まりました。また、インターネットバンキングの初期設定に関する問い合わせのお客様に対しては、動画のURLを記載した SMS を配信することで、繰り返しの問い合わせを抑制する効果がありました」と語っています。
同行は、システムを活用した効率化に積極的に取り組んでいます。無担保ローンの申し込み時には同じ説明を毎回オペレーターがしていましたが、 Genesys Cloud の転送機能を用いたガイダンスの再生に変更しました。オペレーターは顧客が説明を聞いている間に、落ち着いて必要な情報を調べることもできるようになりました。行内の各システム連携も進め、コール受話画面に「 CRM 連携」ボタンを設置し、押下することで行内 CRM が立ち上がる設定となっています。CRM はインバウンド、アウトバウンドの種類ごとに項目の違う画面とすることで、着信種類ごとに交渉内容がスムーズに入力できるようになりました。ローン審査システムの管理画面に Genesys Cloud へリンクするボタンを埋め込み、審査画面上から顧客に電話をかけられるようにしています。「ボタンをクリックするだけで電話ができ、間違いもなくなりました。今後こういった生産性向上に向けた活用をさらに拡大したいと考えています」(村上氏)
営業統括部 ダイレクトマーケティングセンター 主任 川口 幸雄 氏
ACD スキル機能の調整により、新人オペレーターとベテランオペレーターの業務をすみ分けることや、銀行貸与スマホへの転送を可能とし、業務の効率化や働き方の柔軟性にも貢献しています。
主任の川口幸雄氏は、「携帯電話などへの転送もスムーズで、転送後も録音が継続できるので重宝しています」と語ります。このような機能を充実させる一方で、新機能の紹介や使い方を発信するのもDMセンターの重要な仕事です。DMセンターで企画を担当する辻宅亜綺氏は、「オペレーター向けに各機能の使い方紹介や、お客様向けのインターネットバンキングの操作案内などを動画にまとめ、適宜発信しています」と語ります。
営業統括部 ダイレクトマーケティングセンター 辻宅 亜綺 氏
今後、より一層の顧客サービス向上を目指し、新たな機能の導入も検討開始しています。その 1 つに AI を活用した Genesys Agent Copilot があります。Agent Copilot 音声認識により顧客の問い合わせに沿った回答をオペレーター画面に表示するので、経験の浅いオペレーターでも、より適切な顧客対応が可能になります。終話後の会話の要約も今後 Agent Copilot に任せる予定で、オペレーターの負荷軽減による応対品質の向上を見込んでいます。また、ネットバンキング活用を促進するために、オペレーターと顧客が同じ画面を共有できる Co-browse 機能、ボイスボットによる自動対応の拡大など、AI を活用した顧客体験の向上にも積極的に取り組んでいく構えです。
村上氏は同行が進める DX について、「従来はマンパワーで様々な課題を乗り越えてきました。一方でテクノロジーの進化は非常に早いスピードで進んでいます。DMセンターは非対面で何かのツールをお客様に働きかけるには先行導入しやすい環境が整っています。ボイスボット、IVR、生成 AI などを活用することで、お客様の利便性向上だけでなくオペレーターの負担を軽減し、結果的に顧客対応の強化や顧客満足に繋げていきたいと考えています」と話しています。