コールセンターのオムニチャネル移行におけるポイントとは?【コールセンターマネジメントTIPS】

顧客とのコミュニケーション手段の多様化

今日の顧客は、コミュニケーションの選択肢を求めています。そして、チャネルの選択肢が最優先されます。ところが、チャネルが増えると、一貫性、相互運用性、価値認識での課題も増えます。これまで、コールセンターは顧客ニーズへの対応を迫られてきましたが、チャネルを追加しようとしても、その選択肢には限界がありました。そして、「マルチチャネル」アプローチを目指して個別ツールを使用した結果、コミュニケーション、チーム、プロセス、テクノロジー、アナリティクス、請求処理がそれぞれ個別なものとして管理されてしまいました。そこから創出されたカスタマーエクスペリエンスは、貧弱で一貫性がなく、分断されていました。そして、コールセンターの運用は費用対効果が低く煩雑なものになってしまったのです。

 

一方で、テクノロジーは進化し、最新のオムニチャネルエクスペリエンスをサポートする技術や体制も整いつつあります。オムニチャネルとは、インバウンドとアウトバウンドのコミュニケーションを統合し、環境や状況に合った活発なコミュニケーションをシームレスに顧客に提供する枠組みです。顧客には、カスタマージャーニー全体を通じて、あらゆるチャネルにおいてパーソナライズされた体験が提供されます。また、顧客、エージェント、サービス担当者は、やりとりの履歴を失うことなくチャネル間を移動できます。コミュニケーションはルーティングによって最適なリソースに自動振り分けされるため、非常に複雑なカスタマージャーニーの設計、開始、モニタリングへの対応も可能です。

 

オムニチャネル化の落とし穴とは?

しかし、実はオムニチャネル化を進める際に注意しなければならない点があります。それは、「クラウド・コンタクトセンターはすべて同じとは限らないし、オムニチャネルとは限らない」という点です。「オムニチャネル」の名を冠するソリューションを提供するベンダーは数多いものの、その基盤テクノロジーは依然としてマルチチャネルです。

 

既存で使用されているマルチチャネルシステムを使ってカスタマーエクスペリエンスを進化させようとする企業にとって、これは現実的な課題です。Dimension Dataの2019年Global CX Benchmarking Reportによると、企業の58.5%で、チャネル管理は縦割り構造になっています。また、44.3%が「すべてのタッチポイントをシングルビューで俯瞰する機能が無いと、マルチチャネルの採用は難しすぎる」と回答しています。

 

真のオムニチャネル向けクラウド・コールセンターを実現するためのポイント

そこで、オムニチャネル機能の導入を目的にテクノロジーのアップグレードや移行を検討している企業は、次の4つの基準に基づいて、真のオムニチャネルのクラウド型コールセンター・プラットフォームかどうかを見極めることができます

 

  1. 単一のルーティングエンジンですべてのルーティングを実行:ネイティブかつインテリジェントなルーティングエンジン1つですべてのチャネル、モード、メディアを処理し、会話と共に顧客とのやりとりの履歴を移動できる。

 

  1. 組み込み型のワークフォース最適化 (WFO) 機能:単一のルーティングエンジンとネイティブのWFOを同じクラウドプラットフォームに実装することで、すべてのチャネルのエージェントスケジュールとパフォーマンスを管理しやすくなり、一貫性を高める。

 

  1. 単一エージェントのデスクトップ/ワークスペース:エージェントが直感的に操作できるデスクトップを提供し、操作にかかる負担を減らすことで、より付加価値の高い業務に集中させる。

 

  1. 信頼できる唯一の情報源:すべてを1つのプラットフォーム上に統合することで、信頼できるデータに基づいてレポート作成、ダッシュボード表示、アナリティクスを実行する。

 

オムニチャネルのメリット

・真に顧客が求めるカスタマーエクスペリエンスを提供でき、それによりビジネス運営にも好影響を及ぼすことが期待できます。

 

・統合とITに関連するコストを節約することで、TCO(Total Cost of Ownership)を低減します。

 

・エージェントの働き方に変革をもたらします。新たなテクノロジーの活用によって、エージェントが顧客をより深く理解できるようになります。このことは顧客満足度の飛躍的な向上につながる可能性があります。

 

・コールセンターの役割を、個々の顧客トランザクションのサポートから、エンドツーエンドのカスタマージャーニーのサポートへと転換します。その結果、コールセンターはコストセンターからプロフィットセンターへと進化します。

 

・差別化をもたらす以上のカスタマーエクスペリエンスを創出します。これは、顧客満足度の向上、購入額の増大、ロイヤリティを生み出します。

 

「想像し得る最高のコンタクトセンターが完成し、世界第1位のVodafoneコンタクトセンターという評価を獲得できました。新たに開発した革新的なチャネルから、さらに大きな成果を期待しています。」Jörg Knoop、Vodafone Germanyのコンタクトセンターおよびテレセールス部門責任者

 

オムニチャネルのクラウドコンタクトセンター・プラットフォームに最適なオプションについて解説するeBookを下記リンク先にて提供しています。

 

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