コンタクトセンターの業務効率化における課題と対策(第2回)

前回のブログでは、Automation Anywhere 社のAutomation 360 の特長として、 Genesys Cloud と統合されている点についてご紹介しましたが、その他にも多くの特長があります。今回は、その中から

 

  • 高度なツールによる高機能なロボットの開発
  • AI 分析ツールとの連携
  • 野良ロボットの排除

 

についてご説明します。

 

高度なツールによる高機能なロボットの開発

 

RPA で作業を自動化するために、手順を記録したものが「ロボット」ですが、ロボットを作成するための方法には、大きく2つあります。ひとつは、作業手順をひとつひとつ列挙して並べ、プログラムのように実行させる方法です。この方法ではプログラミング的なスキルが必要になる場合もあり、 IT 部門が関与するケースが多い様です。もうひとつは作業者が実際に操作を行い、手順をそのまま記録(レコーディング)することです。この場合はロボットの作成が現場で簡単に行えるため、 IT 部門がロボットの作成に関与する必要が無くなり、 RPA の導入のハードルは低くなります。こうしてできた手順を「再生」することで、ロボットが人間の代わりに作業を行ってくれます。

Automation 360 はどちらの方式にも対応していますが、プログラム的な開発の場合にはフローチャート型とリスト型の画面を切り替えることで開発効率を高めることができます。またレコーディングにおいては、 HTML 構文解析とオブジェクト ID 方式を組み合わせることで、より高度な処理が可能で画面の変化にも対応できる、安定性のあるロボットを開発できます。

さらに、 AARI ( Automation Anywhere Robotic Interface )によって簡単に「フォーム」や「プロセス」を作ることができるため、他社製の RPA ツールでは対応しにくい業務にも対応でき、幅広い業務にロボットを適応させることができます。

AI 分析ツールとの連携

 

通常、異常系業務に対応する AI モデルを構築するためには、日々の業務から得られるデータを蓄積し、それを専門家が分析することになります。しかし、このようなデータの収集には時間がかかり、欲しいときに欲しいデータが十分に集まる保証はありませんし、データの収集が日常業務に影響を与える場合もあります。その代わりに、日常の業務の一環として普段からデータを集めておけば、いざというときに慌てずに済みます。

AARI でフォームを作成し、日常の業務の中でそれを使うことで、裏でロボットが自動で情報を収集し、将来のデータ分析に備えることができます。オペレーターは通常の業務を行うだけで、余計な操作は必要ありません。

 

野良ロボットの排除

 

RPA にはいわゆるデスクトップ型 RPA と呼ばれる製品があり、個々のデスクトップにインストールしてロボットを実行するタイプがあります。この場合、個々のロボットの動作やセキュリティアカウントなどを管理者が把握することが難しくなります。

また、業務や組織の改編などで使用できなくなったり、動作しなくなったロボットがあっても把握も難しくなります。このような問題を「野良ロボット」問題と呼んでおり、多くの企業で RPA のユースケースの拡大や全社展開の障壁となっています。

これに対し Automation 360 は「サーバ型」と呼ばれ、ライセンスやデバイス、ロボットを集中管理することができるため、野良ロボットは基本的に生まれません。またより高いセキュリティを確保するため、ロボットの管理や実行権限を実際の組織に「ロール」として設定したり、 ID やパスワードを秘匿化する技術も実装されています。

Automation 360 のお客様は、平均で1社当たり1,000個以上のロボットをお使い頂いており、多い場合には4-5,000個に上ります。これだけの数になると、管理も大変になります。 AA ではユーザー毎の権限を細かく管理できたり、各ロボット/端末のログ管理も行うことができ、多数のロボットを効率よく管理できるため、より多くの業務に RPA を適用でき、会社全体の効率を向上させることができます。

 

以上、コンタクトセンターの業務効率化における課題と対策について、 Genesys Cloud と RPA ツールが果たす役割についてご紹介して参りました。手軽に業務の自動化ができる RPA ツールについてご興味のある方は、是非お気軽にジェネシスまでお問い合わせください。

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