アスクル株式会社

コールセンターをパブリッククラウドへ移行。「サービス方程式」でCX 向上!

事業所向けと一般消費者向けに通信販売を手掛けるアスクル株式会社様は、その名(明日来る)の通り翌日配送を掲げ、成長を続けています。通販会社にとってコンタクトセンターは顧客とダイレクトにつながり、カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるための最も重要な顧客接点です。同社はコンタクトセンターの機能を常に最新に保ち、在宅化やオムニチャネル対応などの懸案を解決するために、クラウドベースのコンタクトセンターソリューションに移行しました。

パブリッククラウド型のソリューションへ移行することで、最新技術への対応が自動的かつスムースに行われるようになった

コミュニケーターの在宅化に一定の目処が立った

レポート機能が強化され、情報共有がしやすくなった

Salesforceなどの外部との連携が強化され、データの利活用の幅が広がった

柔軟なカスタマイズ性はそのまま維持されたため、過去の資産を利用しながら 業務の効率化を迅速に行うことができる

パブリッククラウド化で最も期待していたのが、新技術への迅速な対応です。ジェネシスは外部のパートナーとの連携を積極的に進めているため、今後の機能追加が楽しみです。

大平 憲一 様

カスタマーサービス本部 オペレーションシステム 管理・運用サポート部長

アスクル株式会社

「サービス方程式」でCX の最大化を目指す

事業所向けと一般消費者向けに通信販売を手掛けるアスクル株式会社様は、その名(明日来る)の通り翌日配送を掲げ、成長を続けています。通販会社にとってコンタクトセンターは顧客とダイレクトにつながり、カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるための最も重要な顧客接点です。同社はコンタクトセンターの機能を常に最新に保ち、在宅化やオムニチャネル対応などの懸案を解決するために、クラウドベースのコンタクトセンターソリューションに移行しました。

アスクル株式会社には顧客サービスに関して「サービス方程式」という考え方があります。ひとつは「100-1=0」で、「たった一つのことができなかっただけで、全てを失うことがある」というもの。もうひとつは「100+1=1000」で、「基本をしっかり維持し、そこに何か1つ加えれば、お客様の大きな信頼を得られる」というものです。これは、ジェネシスが目指しているカスタマーエクスペリエンス(CX)最大化への取り組みとまったく同じ考え方です。
「これは、私たちのお客様対応における基本的な考え方です。これは『+1(プラスワン)マインド』と呼ばれ、コミュニケーターの研修では必ず取り上げられます。おかげさまでアスクルは、パンデミック下でも業績を伸ばすことができました。お客様の在宅勤務が進むなどの変化はありましたが、お問合せ内容自体に大きな変化はなく、アスクルに求められているものは変わっていないと考えています。」と、アスクル株式会社カスタマーサービス本部オペレーションシステム管理・運用サポート部長の大平 憲一氏は言います。

CX 向上を目的にインフラをパブリッククラウドへ移行

一方で、コンタクトセンター内部に目を向ければ、コミュニケーターの在宅化の推進やオムニチャネル対応、そして最新のAI 技術などにも積極的に取り組んで行く必要があります。その点で、コンタクトセンターを支えるソリューションは、常に進化して新しい機能を取り込まなければなりません。

同社は2013 年以来、プライベートクラウド型のGenesys PureConnect を利用してきましたが、新技術に迅速に対応できるパブリッククラウド型のソリューションへの移行は不可避となっていました。
そこで、パブリッククラウドベースのGenesys Cloud への移行について検討を開始しました。今回の移行に際しては、ジェネシスありきでは無く、他の選択肢も検討したということですが、そもそもパブリッククラウド型のコンタクトセンターソリューションが少ない上に、1000 席規模のコンタクトセンターでの利用実績があるものは限られるため、そもそも選択肢は多くなかったそうです。
その中で、ジェネシスのソリューションは機能的にも価格的にも満足のいくものでしたし、それまでのジェネシスのサポートへの信頼もあったことから、Genesys Cloud の導入を決めたということでした。移行に際しての操作環境の変化が少なくすみ、移行のコストも抑えることができるだろうという期待もありました。

狙い通りのスムースな移行とカスタマイズ性の高さ

その狙い通り、移行作業自体は半年で済み、2021 年5 月には移行が完了しました。
コールフローやIVR の設定などのカスタマイズがしやすいのも、ジェネシスの特長です。特に同社は昔から現場からの要望が多く、大平氏を初めとする社内のスタッフが直接これらのカスタマイズを行っていました。この特長はGenesys Cloud にも引き継がれており、過去の資産も有効に活用できたということで、この面でも移行はスムースに行われたようです。
懸案であったコミュニケーターの在宅化についても、2021 年8 月から現在30席程度で試験的な運用を始めました。同社では2022 年春までには150 席程度まで増やしたいと考えています。

新技術の活用

Genesys Cloud で使いやすくなった点として、大平氏はレポート/ ダッシュボード、AI などの新技術への対応、APIによるSalesforce など外部との連携強化を挙げました。
レポートについては、一般的にはリアルタイムのレポートとヒストリカルなレポートが別々になっているものが多い中、Genesys Cloud ではこれが統合されており、これをコミュニケーターからも見られるようにしたところ、自分のパフォーマンスがわかるようになったなど、評判が良いそうです。ダッシュボードも同様で、誰もがアクセスできるようになり、情報の共有などが進むようになったということです。
パブリッククラウド化で最も期待していたのが、新技術への迅速な対応です。オンプレミスとは違い、クラウド側でどんどん機能が追加されるため、さまざまな可能性を試すことができるようになりました。中でもAI 関連の技術については活用方法を模索中で、今は音声の自動認識によって顧客とのやり取りをテキスト化し、それをマイニングしてFAQ の充実や自動ルーティングなどに活用できないかを検討しており、近々PoC を開始する予定だということです。
Genesys Cloud への移行によって、Salesforce とのAPI 連携が強化されたことも、大きなメリットだということです。これまでもSalesforce との連携は可能でしたが、通話時間しか渡せませんでした。それが、API が強化されて後処理の時間も受け渡せるようになったため、これらを合わせてハンドリングタイムとして管理することができるようになったのです。同社では今後、さらに有効な活用ができると期待しています。

パブリッククラウドベースの Genesys Cloud を導入したことで、在宅化やAI対応などの課題を解決でき、CXを高めることができた。

アスクルについて

事業所向け通販最大手のアスクルは、1993年のサービス開始以来、事業所の必需品である文具・事務用品をはじめ、建設現場・工場における作業用品や医療・介護用品まで品揃えを拡充し、日本全国のすべての仕事場へとビジネスを拡大。続いて2012年からはさらに一般消費者向けインターネット通販サービス「LOHACO (ロハコ)」を開始。コロナ禍においても、インターネット消費の拡大に伴い成長を続け、規模とともに品質の高いサービスを提供しています。

概要

業種: eコマース事業 (事業所向け、一般消費者向け) ロジスティクス事業

所在時: 東京都江東区

企業規模: 従業員数:3,297 名(連結2021年5月20日現在)

課題

  • オンプレミスのソリューションでは、新技術に迅速に対応していくのが難しい
  • コミュニケーターの在宅化を実現するための機能が不足している
  • パブリッククラウドへの移行に際し、環境の変化をなるべく抑えたい

解決策

  • Genesys Cloud へ移行し、最新技術への対応を自動的かつスムースに行う
  • Genesys Cloud の柔軟なレポーティング機能を活用
  • 柔軟なカスタマイズ性を維持し、過去の資産を利用しながら業務の効率化を迅速に行う