ネットプロモータースコアを企業経営にどう役立てる?活用方法5選【コールセンターマネジメントTIPS】

世界トップクラスのアスリート、有名アーティストやミュージシャン、あるいは大手ブランドが成果を上げ、活躍する背景にはフィードバックがあります。フィードバックはコーチ、批評家、観客、顧客などさまざまな視点から提供されますが、ポジティブな変化や成長を行うにあたって非常に大切なものです。
日本企業そして世界中の企業は顧客のフィードバックを集めるための基準として、ネット・プロモータースコア・システム(NPS)を導入・活用しています。さらに、有名な大手企業の多くが限定で、ベイン・アンド・カンパニー主導のNPS Loyalty Forumというグループの会員として、情報共有を行い、最新動向への対応を行なっています。

私自身2013年から会員として参加していますが、会員企業が自らの事業においてNPSを活用している様子を目の当たりにし、いつも驚いています。会員企業が活動する業界は様々ですが、顧客に愛されるような会社を目指して皆共通して取り組んでいることがいくつか存在します。

NPSを企業経営に活かす方法1. サービス提供方法を洗練させる

顧客との関係性を包括的に分析することは極めて重要です。しかし、それと同じくらい重要なこととして、顧客とのやりとりにおける一連の流れの中で重要なポイントごとに、提供しているサービスに関するフィードバックを得るということがあります。これには、顧客とのやりとりや問題解決、サービス使用をスムーズに行う上でのサポートなどに関するフィードバックなどがあります。

顧客とのやりとりに関する適切なNPSは、全体的なNPSエコシステム内における重要なツールとして組み込まれるべきものです。これにより、特定の時期における企業のパフォーマンスについての詳細が把握できるようになるのに加え、顧客との関係性を向上させることにもつながります。Genesys内のビジネス分野別におけるリーダーシップチームはミーティングを実施することで、顧客との関係性を向上させるために必要な改善点などについて共有・分析を行なっています。
フィードバックとしては訓練制度の改善、基本的なソフトスキルの向上、人員増加の実行などさまざまですが、ビジネス内容に関する適切なネット・プロモータースコア・システムを通じてこうしたフィードバックを入手することは、顧客が必要としているものを、それが最も必要とされる時に提供できるようなシステムをデザインする上で欠かせないものなのです。

NPSを企業経営に活かす方法2. プロダクトイノベーションツール

顧客にとって、製品はサービスと同じくらい重要です。B2B顧客においては、作業効率の向上、競争性優位の獲得など、さまざまな理由により製品が利用されることになります。
ここで、ネット・プロモータースコア・システムを活用することで、異なるビジネスユニットからのフィードバックを得ることが可能となります。ネット・プロモータースコア・システムのスコアが減少した場合や特定の機能や製品に対するネガティブなコメントが多くなってきた場合には、開発チームが行動を起こすことができます。そして、こうしたアクションによって製品が改善され、顧客のニーズが満たされるのみならず、そもそも製品がどのようにデザインされていたのか、という点についても深く理解できるようになります。
顧客の期待に応じることができていなかった部分から問題を分析できるようになることで、顧客のニーズに対応しながらイノベーションを起こしていくことが可能となります。

NPSを企業経営に活かす方法3. 顧客ロイヤルティを高めるための手段

NPSの特徴は、顧客が直接フィードバックを提供できることに加え、企業側から顧客にアプローチができるという点です。この、いわばフィードバックループは、重要なツールとしてNPSの実行にあたって取り入れるべきものだといえます。ここでは、企業から顧客にコンタクトを取ることを通じて顧客の意見が尊重されていることを顧客に表明することのみならず、企業が具体的に実行しているアクションについても伝えることができます。

こうしたことを通じて、顧客との新たな接点が生まれることになります。宣伝メールを送信するといった関係性を超えた顧客とのやりとりを展開することによって、顧客は自らが尊重されているという実感を得ることになるのです。加えて、顧客と直接コンタクトを取ることによって、企業内従業員が顧客を改めて一人の人間として認識できるようになり、顧客が抱える問題の具体的内容や理由についてより深く理解できるようになります。

NPSを企業経営に活かす方法4. 顧客中心の文化の形成

最近、とある企業において開催された従業員フォーラムのパネルにてスピーチを行う機会があり、すべての社員が顧客へのサービス提供にあたり真剣に取り組んでいる様子を目の当たりにし、とても嬉しく思いました。実際この企業では、顧客にフォーカスした企業文化を形成することに成功していたのです。
そして、この理由として挙げられていたのが、ネット・プロモータースコア・システムを通じた顧客のフィードバックを各従業員のタスクと関連付ける、という点でした。顧客対応の従業員だけがポジティブな顧客対応を実現していればよいというのではなく、バックオフィスの従業員達も、顧客に質の高いサービスを提供するにあたって同じくらい重要な役割を担っているのです。表面上のスコア以上のことを確実に実行することで、従業員が顧客に対して思いやりの気持ちを持てるようになり、各種タスクの意義がより「人間性」を帯びたものになるのです。

NPSを企業経営に活かす方法5. 実際の行動を通じて顧客に対するコミットメントを示す

顧客のフィードバックを得る際に使用する評価基準がどのようなものであれ、得られたフィードバックに対して実際に行動するということが絶対に必要です。ここでは、変化する顧客のニーズに対応しながら各種業務やプロセス内容を調節していくというバランス感覚が重要となります。しかし、トップクラスの企業は世界中でこれを実現しており、当社をはじめとした諸企業も積極的にこうした課題に挑戦していきたいと考えています。

 

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