CXヒーロー:災害時に命をつなぐ

それは想像を超えた状況でした。メキシコシティは、壊滅的な打撃を受けた1985年の地震からちょうど32年を迎えたその日に、再度地震に襲われました。地震対応の避難訓練を終えた直後に、考えられない事態が発生しました。建物が揺れ、地面が隆起しました。またもや地震が起きたのです。しかし今回は備えができていました。メキシコシティはこのような日のために32年間訓練を積んできたからです。とはいえ、訓練当日に地震が起きるとはだれも考えていませんでした。

1985年の地震では数千人の死傷者が出ました。生活インフラは破壊され、建物は瓦礫と化しました。しかし、メキシコシティはこのときの地震から多くを学び、被害を軽減し、人命を守るための対策を講じてきました。最新の技術を使用して建物を再建し、毎年訓練を実施して地震に備えてきました。

2017年9月19日に発生した地震は1985年に比べると小規模でしたが、被害の規模は大きなものでした。メキシコ最大の通信プロバイダー、Telefonicaのデジタル・サービス・マネージャーであるノーマ・アドリアーナ・デルガド氏は、同社の救急医療チームのメンバーで、災害発生時に従業員の救助にあたりました。Telefonicaの建物が揺れると、彼女は直ちにデスクの下に隠れるように同僚を促し、手助けが必要な人を支援しました。

状況が落ち着くと、ノーマは次の行動に移りました。本社から見て街の反対側にあるTelefonicaのカスタマーサービス・センターは、サードパーティーが管理していましたが、彼女はそこが被害を受けたことに気づきました。コールセンター・オペレーターはだれも建物に入ることを許可されませんでした。

ノーマは経営陣とIT担当者を集め、コールセンターのバックアップと運用の計画を作成しました。コールセンターの建物には入れないため、臨時のコールセンターを別の建物内に設置することを決定しました。数時間以内に、200名のオペレーターは、地震で動揺していた顧客をオンラインで支援する態勢を整えました。

「人々からはヒーローだと言われますが、自分自身はそのように感じていません」とノーマ・アドリアーナ・デルガド氏は語ります。「やるべきことをやり、助けるべき人を助けただけです」

しかし彼女の行動力、迅速な判断、助けたいという気持ちが、彼女を突き動かしたのです。ノーマはCXヒーローです。

地震の被害が判明してくると、ノーマは別のことに気づきました。多くの人がTelefonicaネットワークを使用して親しい人と連絡を取ろうとしていましたが、このネットワークを捜索救助活動に活用できると考えたのです。ノーマは、通信プランを利用していない人でも親しい人と連絡が取れるように、ネットワークを開放することをTelefonicaの経営陣に提案しました。通信プランの利用者でなくても、捜索救助活動で行方不明者を捜索するために電話機のGPSを利用できます。ノーマの提案が通り、Telefonicaはネットワークをすべての人に開放しました。

「当社のネットワークを開放するよう、TechnologyのVPに提案しました。そうすれば、倒壊した建物や病院の中にいる親族、友人と連絡を取ることができるからです」とノーマは振り返りました。

共感は、すべてのCXヒーローに共通する強い動機です。もう1つの重要な動機は、適切なソリューションを探す意欲です。この2つの動機により、ノーマはメキシコシティの人々を救いました。

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