2019年コールセンターのトレンドとは?:クラウド、最新テクノロジー、リモートワークetc.

2019年のはじめに、Genesysはコールセンターおよび顧客体験に関連するクラウドベースアプリケーションの現状に関してより良く把握するため、
グローバル規模の独自調査をIDC(International Data Corporation)に依頼しました。
調査結果の中には、想定されていたものだけでなく驚くべき結果もありました。
以下は私の視点から考えた、今回の調査結果における5つ重要なポイントです:
 

1. クラウドだからこそ有効なAIおよび最新テクノロジーの導入・トライアル

 

調査における主要な質問の一つに、今後12ヶ月においてクラウドで使用する予定のあるアプリケーションについて尋ねるというものがありました。中規模の企業では、人工知能 (AI) という答えがトップで43%、チャットボットが3番目で40%となりました。企業としては、長期的なコミットメントであったり各種装置やソフトウェアを購入することなく、これらのテクノロジーを素早く試してメリットがあればを活用したいと考えていることから、これは当然の結果といえるでしょう。

 

2. 中規模企業と大企業で異なる意思決定とトレンド

 

調査結果の中で、クラウドおよび顧客対応アプリケーションに関して、中規模企業 (このレポートの中では300人以下の企業と定義) と、大規模企業との違いを見て取れるケースが複数ありました。たとえば、各セクターで誰が購買決定を下すべきか、といった点について認識が異なっていました。調査結果によると、中規模企業ではCIO (51%)、COO (36%) に続き、驚くべきことにコールセンター長 (35%) が重要な意思決定権者となっていました。一方、大企業では、コールセンター長がこうした購入決定を下す割合は25%にとどまりました。

 

今後12ヶ月で展開していくアプリケーションについても、大きな違いが見られました。多くの中規模企業は、顧客対応アプリケーション (チャットボットやメッセージアプリケーションといったものから、架電やウェブチャットのように根幹となる機能) を次の年にクラウドで展開していく方針を立てていました。

 

3. クラウド利用のメリットは広く認知されている

 

私はDigital Equipment Corp.のヘルプデスクで働き始め、最終的にコールセンター業界のセールスおよびマーケティング部門へと移行しました。そして、2005年頃に、クラウドの利点 (スケール性、ハードウェアの管理が不要、俊敏性の向上、より優れた災害復旧機能、都度払い価格モデル) について最初のセールスプレゼンを作成したことを今でも覚えています。こうした観点に加え、マイクロサービス等の要素が今となっては広く認知され、認められているということを考えると、感慨深いものがあります。

 

4. クラウド上で移行すれば「”完全な置き換え”が不要」

 

調査において「今後12ヶ月で使用してく計画の顧客対応アプリケーション」について尋ねたところ、20の異なるカテゴリが見つかりました。メールやウェブチャット、ソーシャルメディアでのやり取りなどにみられるようなオムニチャネルラウティングといった広範な性質のカテゴリがある一方で、メッセージアプリケーションという答えがありました。
メッセージアプリについては現在、何百もの種類があります。クラウド利用における副産物として、こうした投資に際して「完全な置き換え」が不要であるという点があります。たとえば、「使用イメージを掴みたい」というニーズがあり、新しいチャネルとしてFacebook Messengerをトライアルする場合、クラウドで行う方が確実に簡単、迅速、安価、低リスクとなります。ハードウェアを購入、インストール、維持する必要はありません。

 

5. リモートエージェントの時代が始まっている

 

私自身、リモートワークに長く携わってきている立場として、在宅エージェントまたはリモートエージェントに関するデータは非常に興味深いものでした。一見すると、取るに足らない数字にも見えますが、これは大きなトレンドの始まりを示しているものとして捉えることができます。これまではコールセンター運営や人員管理の難しさゆえか、リモートワークはそれほど一般的ではありませんでした。
実際、調査時点では中規模企業および大企業の両方において在宅エージェントは存在しませんでした (0%)。また、これは世界中で行われた調査のため、0%というデータは世界中すべての地域に対して当てはまることになります。しかし、今後12ヶ月で在宅から勤務する予定のエージェントの比率について尋ねたところ、大企業では6%、中小企業では1%へと比率が跳ね上がったのです。

 

一方で、リモートで働く従業員の比率について、「まったくいない」 (None) という回答の割合は、中規模企業と大企業でそれぞれ、55%、32%でした。しかし、今後12ヶ月について尋ねたところ、「まったくいない」 (None) の割合はそれぞれ、2%、0%となりました。今後12ヶ月で在宅従業員が「まったくいない」という中規模企業の割合が0%であるということは逆に、回答した企業すべてにおいて少なくとも1人のリモート従業員がいるということになります。これは、大きな変化と言わなければなりません。

2019年のコールセンターのトレンド・現状をご紹介してきました。これらは、調査レポートを私が読み、レポート内のデータを確認した後に得られたいくつかのポイントにすぎません。ぜひ詳細な情報を知りたい方はgenesys.comの調査報告(リンク先は米国Genesysサイトのページになります)をご覧ください。
調査報告を読んで皆さんが考えた今後への対策案や、興味深いデータがありましたら、ぜひ教えてください。

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