従業員満足度とは職場環境や福利厚生、給与、人間関係などについて、どれだけ従業員が満足しているかを示す指標です。英語では「 Employee Satisfaction 」となり、これを略して「 ES 」呼ばれます。本記事では従業員満足度( ES )の具体的な構成要素や向上させるメリット等をまとめました。

目次

  1. 従業員満足度( ES )とは?
  2. 従業員満足度の構成要素 6 つ
  3. 従業員満足度を向上させるメリット
  4. 従業員満足度を向上させる取り組み例
  5. 支援システムを導入してみるのも 1 つの手

 

1.従業員満足度( ES )とは?

従業員満足度とは、職場環境や福利厚生、給与、人間関係などについて、どれだけ従業員が満足しているかを示す指標です。従業員向けアンケート等によって調査しますが、項目内容は企業によって独自に作成しないと、正しく分析することができません。
類似したものに「従業員エンゲージメント」という言葉がありますが、これは企業の理念や方向性に従業員がどれだけ共感し、その貢献のために自らが主体的に取り組もうとする意欲を示します。従業員が企業内で働くことを通し経験する全ての事柄を「従業員体験( EX )」と呼び、従業員体験の向上は、従業員満足度や従業員エンゲージメントの向上につながります。

・ 「 ES 」と「 CS 」の違い

ES は従業員顧客満足度、そして CS は顧客満足度を示します。これら 2 つは、対象が従業員か顧客かという点が違いです。ES は企業に対する従業員の満足度、そして CS は企業あるいは商品・サービスに対する顧客の満足度を表す指標となります。

関連記事: 「顧客満足度( CS )とは?具体例でわかる CS 向上のための基礎」

 

2.従業員満足度の構成要素 6 つ

従業員満足度は、具体的に以下 6 つの要素で構成されます。

1 ) 職場環境の快適さ

オフィスのレイアウトや設備など、働く環境の快適さです。例えば自身の作業スペースが狭い、パソコンの性能が低いといったことがあれば、働きにくさを感じてしまいます。

2 ) 穏やかな人間関係

良好な人間関係の中で働けているかどうかを示します。人間関係が悪ければ精神的なストレスにつながり、実務にも影響が及びかねません。

3 ) 満足できる報酬と待遇

給与や福利厚生などの待遇に満足できているかも重要な要素です。自身の働きや貢献に対して十分と感じられなければ、満足度は低下します。

4 ) 仕事内容・キャリア形成の充実

仕事内容や将来的なキャリアパスは、働くうえで重要なポイントです。雑務にばかり追われて仕事にやりがいを感じられていなかったり、その先のキャリアを明確に描けなかったりすれば、離職等の原因にもなりかねません。

5 ) ワークライフバランスの充実

昨今は、ワークライフバランスを重視する人が増えています。残業や休日出勤が多い、あるいは有給休暇が取得しにくいといったことがあれば、プライベートを充実させられず満足度は低下してしまうでしょう。

6 ) 経営方針と企業文化への共感

企業という組織で働くうえでは、経営方針や企業文化に共感できるかどうかがとても大切です。共感があればこそ、同じ方向へ従業員が主体的に取り組むことができます。逆に共感が得られていなければ、自身の仕事に疑問を持ったり、遣り甲斐を見いだせなかったりする可能性が高まるでしょう。

「従業員の満足度、正しい指標の選び方」

 

3.従業員満足度を向上させるメリット

従業員満足度の向上は、企業経営に多くのメリットをもたらします。下図のように、従業員満足は顧客満足度や業績にも大きく関わると言われています。具体的なメリットを解説します。

従業員満足度を向上させるメリット

・生産性の向上

従業員のモチベーションを高められます。その結果、自ら主体的に仕事を進めるようになり、生産性の向上に繋がるでしょう。これは売上拡大など、企業全体の業績にも寄与します。

・離職率の低下・企業イメージの向上

従業員満足度が向上すれば、その企業で働き続けたいという気持ちが大きくなるため、離職率の低下を防ぐことができます。また、魅力ある企業としてイメージ向上にも繋がるでしょう。対外的なイメージが向上すれば、新たな人材も確保しやすくなります。

・顧客満足度の向上

従業員が自社の商品・サービスをより良くしようという意欲が湧くため、サービスの品質が向上し、顧客満足度の向上につながります。

参考資料:厚生労働省「従業員の職場定着など、雇用管理面でお困りの事業主の皆さまへ」

なお、コンタクトセンターにおいても従業員満足度の向上は課題となっており、さまざまな方法で取り組みを行っている企業が増えています。コンタクトセンターの品質は顧客満足度に直結するため、ES の向上は重要です。

 

4.従業員満足度を向上させる取り組み例

従業員満足度を向上させるために、いったい何をすれば良いのでしょうか。ここで、具体的な取り組みを 3 つ挙げて解説します。

・企業文化の形成、ビジョンの共有

目標や価値観などを軸に、自社にとって最適な企業文化を形成します。また、将来のあるべき姿であるビジョンを明確化し、全社に共有することも大切です。これによって、経営層から従業員まで全員が同じ方向へ進むことができます。また、効率的に業務を進めるうえでは、部署などチーム毎の連帯感も欠かせません。同じ企業文化やビジョンに共感するからこそ、強い連帯感のもと一丸となって業務に取り組むことが可能になります。

・働き方の柔軟性促進

昨今はテレワークやリモートワーク、フレックス制度、あるいは副業など、働き方が多様化しています。従業員満足度を向上させるには、柔軟性のある働き方を社内で実現する必要があるでしょう。
システムを導入すれば、生産性の向上や従業員の負担軽減につながります。WFM (ワークフォースマネジメント)によって自分の働く時間を選べたり、在宅など社外で働くことができるようになったりと、個々に合った働き方を実現することが可能です。

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参考資料:厚生労働省「従業員の職場定着など、雇用管理面でお困りの事業主の皆さまへ」

・福利厚生の充実

福利厚生を充実させると、従業員は自身が企業から大切にされていると実感でき、モチベーション向上や離職率の低下が期待できます。従業員の心身の健康にも効果が期待できるため、企業にとっては生産性向上にも繋がるでしょう。

 

5.支援システムを導入してみるのも 1 つの手

従業員満足度の向上は、生産性向上や人材定の着化、あるいは顧客満足度を高めることにも効果的です。そのためには、システムを導入することも一つの方法と言えるでしょう。システムによって業務効率が高まれば、従業員の負担が軽減できます。また、業務状況等を的確に把握することで、モチベーションの低下等を未然に防ぐことも可能です。
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