G-Summit Tokyo 2019 Digest Report 1

「G-Summit Tokyo 2019」で語られたAIの可能性

ジェネシス・ジャパンは7月11日、年次カンファレンス「G-Summit Tokyo 2019」を開催しました。会場となった虎ノ門ヒルズフォーラムにはコンタクトセンター業界の関係者をはじめ各業界の著名な企業が参加し 、終日熱気に包まれました。

 

オープニングの基調講演には、米ジェネシスでソリューション・ストラテジーを担当するクリストファー・コノリーが登壇し、企業がカスタマーエクスペリエンス(CX)を変革するためには、「AI」「デジタル」「クラウド」の3つの柱が必須だと説明しました。

 

この領域においてジェネシスが提供する製品は、クラウド・コンタクトセンター・プラットフォーム「PureCloud」、オムニチャネルとコミュニケーション基盤をオール・イン・ワンにしたCXプラットフォーム「PureConnect」、大規模なエンタープライズ環境向けのオムニチャネル・カスタマーエンゲージメント・ソリューション「PureEngage」です。

 

先ほどの3つの柱の中で特にジェネシスが力を入れているのがAIです。例えば、米グーグルと協業して、リアルタイム翻訳や自然言語処理などの機能を持つ同社の「Contact Center AI」を組み込んだソリューションを提供しています。これによってカスタマーサポートの機械学習が進み、顧客とエージェントの最適なマッチングおよびサービスレベルの向上を実現します。

 

 

  • AIが今、コンタクトセンターに必要な理由

 

なぜAIがコンタクトセンターに価値をもたらすのでしょうか。米ボストンコンサルティンググループ(BCG)の消費者調査によると、ユーザーの97%が複数のチャネルを利用して企業に問い合わせなどをしています。その数は平均で5.6チャンネル。従来の電話による問い合わせは横ばいですが、デジタルチャンネルでのやり取りは急激に増えています。かたやコンタクトセンターのエージェントがそれに比例して増えるということはありません。

 

コノリー氏は「消費者がいつでも、どこにいてもリーチできるよう、企業はカスタマージャーニーを考え、オムニチャネルのプラットフォームを持ねばなりません。だからこそAIを活用して、顧客とのやり取りをできるだけ自動化して、従業員の負荷を下げることが必要です」と強調します。

 

ただし、日本のビジネスパーソンはAIに対して抵抗感があると言われています。4700 、職場にAIが入ってくることを「常に脅威」だとする回答が、米国は4%であるのに対し、日本は12%でした。また、「脅威を感じることもある」という回答は、米国が25%、日本は50%に上りました。

しかし、ユニークなのは、日本人はAIを脅威だと感じる一方で、共存することもいとわないという点です。同様の調査において60%の日本人はAIの職場活用を歓迎しているというデータも出ています。これは世界の他の地域と比べて、日本は業務の自動化、オートメーション化の意識が高いことに所以するようです。

 

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  • クラウドが主流に

 

 

基調講演のステージには、ジェネシスのビジネスパートナーとして、日本のマーケットで大きな成果を上げている2社が登場しました。ソニーグローバルソリューションズの子会社で、クラウドインフラソリューションなどを提供するビジョンアーツは、2017年から自社のコンタクトセンターでもPureEngageを活用しています。

 

コールセンター開発課 統括課長の齋藤英明氏は、導入した理由について、(1)ハードウェアに依存せず、ソフトウェアベースなのでクラウドと相性が良いこと、(2)コンポーネントに柔軟性があること、(3)ジェネシスが培ってきた資産が生かせること、を挙げます。今後は、ジェネシスの先進的な機能とクラウドをインテグレートすることによって、顧客に寄り添ったサービスを提供し、競合企業に対する優位性を保ちたいと力を込めました。

 

NTT西日本のITネットワーク基盤を保守・運用するエヌ・ティ・ティ・ネオメイトは、2年前にPureCloudのサービス提供を開始しました。その背景には、オムニチャネルへの対応がありました。同社の福田誠氏 は、この分野において将来を見据えてもジェネシスに勝るベンダーはいないと感じ、ソリューションパートナーとして選定しました。

 

福田氏はコンタクトセンターにおけるクラウドの価値を訴えます。コンタクトセンターシステムをオンプレミスで導入する場合、約10年先でも十分に使えるようなシステム設計にしなければなりません。けれども、将来のテクノロジーの進化や顧客ニーズを正確に読み解くことは非常に難しいため、大きなリスクがあります。クラウドであれば必要に応じて利用できるし、常に最新の機能にアップデートできるので、それほどリスクは伴いません。

 

福田氏は、このクラウドの性能を生かして顧客の業務に合わせていくことが重要だと述べます。宝の持ち腐れにならないために、同社がこれまでさまざまな日本の企業に提供してきたソリューションを組み合わせて、ベストなコンタクトセンターシステムを構築、サポートしていきたいと意気込みました。

Part 2へ続く

 

【当日の閲覧可能な資料について】:以下よりダウンロードいただけます。

基調講演 『ジェネシスから始まるデジタル時代のCXとコンタクトセンター』  米ジェネシス社・クリストファー・コネリー

『ジェネシス・ソリューションアップデート』ジェネシス・ジャパン株式会社 三成茂 曾田潤

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